源氏物語
夕霧が心配して見舞いにやってくると、柏木はそれとなく源氏の不興を買ったことを告げて、夕霧からとりなしてほしいと頼んだ。兄弟たちも皆悲しむ中で柏木はとうとう死去。(因果応報の思想の暗々裏に漂わせる作者の意図か) 源氏物語絵巻 (下書きがあったよう…
四年間かけて講読した『源氏物語』本日をもって終わる。 受講生から「ジャスミン」の花束を戴き、その香に咽ぶというフィナーレ。 匂宮、薫の香気あふれる高貴なヒロインにあやかっての洒落たプレゼント。 なかなか気の効いたことをする心の若い受講生。 五…
古典の教科書にも出ている有名な部分を出題するとは、いかがなものか。
4年間、大野原で講読した『源氏物語』を原文で読む会は、本日で終了です。 15年間続けた「古典文学講座」は、5月から『徒然草』を予定しています。
源氏物語「宇治十帖」ヒロイン浮舟 光源氏の弟である宇治八の宮の三女。宇治の大君、中君の異母妹で、特に大君によく似る。母はかつて八の宮に仕えていた女房・中将の(八の宮の北の方の姪)で、このため父八の宮から娘と認知されなかった。 母中将の君の再…
「宿木」(やどりぎ)は、『源氏物語』五十四帖の第49帖。 巻名の由来は 第三部の一部「宇治 十帖」の第5帖にあたる、薫と弁の尼が詠み交わした和歌 やどりきと思ひ出でずは木のもとの旅寝もいかにさびしからまし 荒れ果つる朽木のもとをやどり木と思ひおき…
『源氏物語』紅梅の巻 「紅梅」は女のような名前だが、頭中将の次男。母は桐壺帝の右大臣の四の君。 『源氏物語』第43巻「紅梅」の中心人物となる。 後世の人により「紅梅大納言」と称されている。柏木、弘徽殿女御は同腹の兄弟。 明るく利発な性格で、幼少…
光源氏の「光」から 薫・匂宮の「香」へ 『源氏物語』の主軸・トーンが変わる。 後編、第三部が始まるのが、この「匂兵部卿宮」の巻である。 源氏の孫である匂宮、実子ではない子薫がライバルとしてと時めく。 『源氏物語』巻42 「匂(兵部卿)宮」 「幻」か…
「みとよ源氏物語講座」では、青表紙本『源氏物語』を読み進めております。 『源氏物語』41巻「幻」…光源氏は最愛の紫の上を失い喪失感の中で出家。 次巻「雲隠」は巻名のみで、源氏の死が暗示される。 与謝野晶子訳『源氏物語』幻の巻 春の光を御覧になって…
次回の『源氏物語』講義は「幻」の巻 幻」(まぼろし)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第41帖。出家を前にした 光源氏の心情を四季のうつろいを通して描く。 巻名は光源氏が紫の上を想って詠んだ歌 「大空をかよふまぼろし夢にだに見えこぬ魂(た…
「 御法」(みのり)は、『源氏物語』五十四帖のうち第40帖。巻名の由来は、紫の上と花散里と詠み交わした「絶えぬべき御法ながらぞ頼まるる世々にと結ぶ中の契りを」とその返し「結びおく契りは絶えじおほかたの残り少なき実りなりとも」に因る。
夕霧 『源氏物語』第39帖。巻名は、夕霧が落葉宮に詠んだ「山里のあはれをそふる夕霧に立ち出でん空もなき心地して」による。 『源氏物語』に登場する架空の人物。夕霧大将とも。源氏の長子。母は葵上。夕霧の名は、彼が中心人物になる巻の名に因んで後世の…
『源氏物語』38帖「鈴虫」のあらすじ 光源氏50歳の夏から8月中旬までの話。 その年の夏、蓮の花の盛りに、女三宮の持仏の開眼供養が営まれた。飾りつけもすっかり整った御堂で、源氏は尼姿の女三宮に後に残された悲しみを訴えるが、宮はつれなく言葉を返す…
. 皇祖神(すめろぎ)の神の宮人 野老葛(.ところづら) いや.常しくに 我かへり見む. (『万葉集』巻7.ー1133) 御寺のかたはら近き林に抜き出でたる筍、そのわたりの山に掘れる野老などの、 山里につけてはあはれなれば、たてまつれたまふとて、御文こまやかな…
「若菜」は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第34帖。本巻は源氏物語中最長の巻であり、現在では通常本文の存在しない「雲隠」を除いて「若菜上」および「若菜下」とし、それぞれ第34帖、第35帖とされていることが多い。源氏の絶頂期であり、同時に衰…
今年度のセンター試験(国語・古文)に『源氏物語』「夕霧」が出題された。 夕霧の不倫を描いた文章。『徒然草』の儒教道徳を説いた文章内容とは大違い。 男女の三角関係の愛のもつれを主題とする内容の適否を問いたい。 純情な高校生が受験するセンター試験の…
源氏物語講読も今年で三年目、一月は本日第33巻「藤裏葉」を読み終えました。 光源氏の絶頂期は、この第三部で終わり、その翳りが射してくる第二部を来月から読み進めることになります。読めば読むほど作者紫式部の筆力の冴えが見えて来て、感心させられま…
今月は源氏物語第33巻「藤の裏葉」 藤の花の宴で内大臣はかねての仲であった娘の雲居の雁と夕霧の結婚を認める。仲睦まじい夫婦の誕生に、源氏は親心に嬉しく夕霧の辛抱強さを褒めてやる。内大臣も結婚させてみると後宮での競争の多い入内より、立派な婿を…
〔今年月例『源氏物語』初講座〕 大野原図書館 1月18日(土) 観音寺働く婦人の家 1月28日(火) ~「藤裏葉」の巻~ 「藤裏葉」は『源氏物語』五十四帖の巻名(第33帖) 内大臣が詠んだ「春日さす藤の裏葉のうらとけて君し思はば我も頼まむ」にちなむ。この巻で…
『源氏物語』 30帖「藤袴」 現代語訳 むらさきの〈ふぢばかま〉をば見よと言ふ二人泣きたきここち覚えて 晶子 同じ野の露にやつるる〈藤袴〉あはれはかけよかことばかりも 夕霧 尚侍(ないしのかみ)になって御所へお勤めするようにと、源氏はもとより実父…
「藤袴」(ふじばかま)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。玉鬘十帖の第9帖。巻名は夕霧が詠んだ和歌「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」に因む。 我が苑の藤袴まだ咲き初め講座の頃は盛りにならん
「藤袴」は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。玉鬘十帖の第九帖。巻名は夕霧が詠んだ「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」に因む。
~行幸~ 「行幸」(みゆき)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第29帖。「玉鬘十帖」の第8帖。巻名は玉鬘と光源氏の歌「うちぎらし朝ぐもりせしみゆきにはさやかに空の光やは見し」「あかねさす光は空にくもらぬをなどてみゆきに目をきらしけむ」に…
野 分 與謝野晶子訳 源氏物語 野分 けざやかにめでたき人ぞ 在ましたる野 分が 開 くる絵巻のおくに (晶子) 中宮のお 住居の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ 垣が所々に 結われ、朝露夕露の置き渡すこ…
今月の『源氏物語』講座は第28巻「野分」、多方面の文学作品に登場する「野分」効果を考察する予定である。受講生の皆さん、ご期待ください。 8月のある日、激しい野分が都を吹き荒れた。六条院の庭の草花も倒れ、そこへ訪れた夕霧は混乱の中で偶然紫の上の…
七月源氏物語講座は「篝火」…琴にこだわってみると 『源氏物語』における和琴の名手は頭の中将、柏木である。その他に紫の上が和琴を演奏する。箏の琴の名手は明石の入道である。彼は醍醐帝から伝授された人に習った。その他に紫の上、光源氏、明石中宮が箏…
光源氏と琴 (「篝火」の巻) 秋にもなった。風が涼しく吹いて身にしむ思いのそそられる時であるから、恋しい玉鬘の所へ源氏は始終来て、一日をそこで暮らすようなことがあった。【琴】を教えたりもしていた。五、六日ごろの夕月は早く落ちてしまって、涼しい…
「常夏」の一般的用法 1 一年中が夏であること。常に夏のような気候であること。 2 セキチクの変種。多くの品種があり、花は濃紅色のほか、白色や絞りなど。名は、春から秋にかけて咲きつづけることに由来。(季・夏) 3 襲(かさね)の色目の名。 4 《夏か…