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絵巻で楽しむ源氏物語

週刊朝日百科『源氏物語五十四帖』(全60巻) 各巻40頁程度で、簡潔明瞭に ビジュアルで分かり易い源氏物語入門書。

柏木臨終に夕霧の見舞い

夕霧が心配して見舞いにやってくると、柏木はそれとなく源氏の不興を買ったことを告げて、夕霧からとりなしてほしいと頼んだ。兄弟たちも皆悲しむ中で柏木はとうとう死去。(因果応報の思想の暗々裏に漂わせる作者の意図か) 源氏物語絵巻 (下書きがあったよう…

「源氏物語講座」本日終わる。

四年間かけて講読した『源氏物語』本日をもって終わる。 受講生から「ジャスミン」の花束を戴き、その香に咽ぶというフィナーレ。 匂宮、薫の香気あふれる高貴なヒロインにあやかっての洒落たプレゼント。 なかなか気の効いたことをする心の若い受講生。 五…

京都御所、三種の神器

天皇寝室の襖絵の虎、陛下の安眠をお守りするという。 和紙の原料「楮」を採集 天皇が 皇位の璽 (しるし) として,代々伝えた三種の宝物 八咫鏡 (やたのかがみ) 草薙剣 (くさなぎのつるぎ) 八坂瓊曲玉 (やさかにのまがたま)

京都御所、只今放送中

至宝の美を結集…京都御所。

昨日の香川大学入試に『源氏物語』「若紫」出題

古典の教科書にも出ている有名な部分を出題するとは、いかがなものか。

剣持源氏物語講座「東屋」「浮舟」

連れ子同士の再婚。中将の君は先夫との子「浮舟」が可愛くて、薫・匂宮に縁づけたい。現夫常陸介の連れ子(娘)が讃岐守(受領)に嫁しても平気。 我が讃岐は『源氏物語』にこんな田舎くさく、わずかに端くれで登場する。

本日で「大野原源氏物語講座」終了

4年間、大野原で講読した『源氏物語』を原文で読む会は、本日で終了です。 15年間続けた「古典文学講座」は、5月から『徒然草』を予定しています。

今日は「浮舟」の源氏物語講座でした。

源氏物語「宇治十帖」ヒロイン浮舟 光源氏の弟である宇治八の宮の三女。宇治の大君、中君の異母妹で、特に大君によく似る。母はかつて八の宮に仕えていた女房・中将の(八の宮の北の方の姪)で、このため父八の宮から娘と認知されなかった。 母中将の君の再…

今月の源氏物語講座は「浮舟」

第五十一帖「浮舟」 巻名は、次の歌にちなむ。薫の庇護を受けていた女が匂宮に連れ出されい宇治川対岸の隠れ家へ向かう途中に詠んだ和歌「橘の小島の色はかはらじをこのうき舟ぞゆくへ知られぬ」(橘の茂る小島の色のようにあなたの心は変わらないかも知れ…

京都、訪う女独り。

あなただけ京都郊外歩ませる 雅舟 いにしへの音を聴くなり京の春 雅子

京都、そのゆかしさ。

はんなりとして淑やかささりげなさ 雅

明日の源氏物語講座は「宿木」

「宿木」(やどりぎ)は、『源氏物語』五十四帖の第49帖。 巻名の由来は 第三部の一部「宇治 十帖」の第5帖にあたる、薫と弁の尼が詠み交わした和歌 やどりきと思ひ出でずは木のもとの旅寝もいかにさびしからまし 荒れ果つる朽木のもとをやどり木と思ひおき…

今月『源氏物語』講座は「総角」を読む

あげまき 「総角」 晶子訳『源氏物語』 長い年月 馴( ) れた 河風( ) の音も、今年の秋は耳騒がしく、悲しみを加重するものとばかり宇治の姫君たちは聞きながら、父宮の御一周忌の仏事の用意をしていた。大体の 仕度( ) は源中納言と山の 御寺( ) の…

「剣持万葉講座受講生」への推薦書

①『万葉語誌』 多田一臣編 筑摩選書 「語誌」とは、社会史的、文化史的に記述したもの。一つの語にもその背景がある。 いのち・いも・うつせみ・さやけし・たわやめ・むすぶ・やさし・ゆゆし・わたつみ・をし等 『万葉集』に用いられている重要語、一五〇語…

「剣持源氏物語講座」受講生への推薦書

①『愛する源氏物語』 俵万智著 文春文庫 先刻お馴染の女流歌人万智さんの『源氏物語』紹介文。三年間「文藝春秋」に連載した三十五編をまとめたもの。和歌は心の結晶、光源氏の下心、同時進行恋愛、紫の上の悲しみ、薫のはじまり、夫婦喧嘩も和歌で、匂宮の…

今月の源氏物語講座は「紅梅」

『源氏物語』紅梅の巻 「紅梅」は女のような名前だが、頭中将の次男。母は桐壺帝の右大臣の四の君。 『源氏物語』第43巻「紅梅」の中心人物となる。 後世の人により「紅梅大納言」と称されている。柏木、弘徽殿女御は同腹の兄弟。 明るく利発な性格で、幼少…

今月の源氏物語講座は「匂宮」

光源氏の「光」から 薫・匂宮の「香」へ 『源氏物語』の主軸・トーンが変わる。 後編、第三部が始まるのが、この「匂兵部卿宮」の巻である。 源氏の孫である匂宮、実子ではない子薫がライバルとしてと時めく。 『源氏物語』巻42 「匂(兵部卿)宮」 「幻」か…

源氏物語「幻」の巻

次回の『源氏物語』講義は「幻」の巻 幻」(まぼろし)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第41帖。出家を前にした 光源氏の心情を四季のうつろいを通して描く。 巻名は光源氏が紫の上を想って詠んだ歌 「大空をかよふまぼろし夢にだに見えこぬ魂(た…

明日の源氏物語講座は「御法」の巻

「 御法」(みのり)は、『源氏物語』五十四帖のうち第40帖。巻名の由来は、紫の上と花散里と詠み交わした「絶えぬべき御法ながらぞ頼まるる世々にと結ぶ中の契りを」とその返し「結びおく契りは絶えじおほかたの残り少なき実りなりとも」に因る。

今月の源氏物語講座は「御法(みのり)」の巻

御法」(みのり)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第40帖。巻名は、紫の上が花 散里に詠んだ和歌「絶えぬべき御法ながらぞ頼まるる世々にと結ぶ中の契りを」に因む。 女主人公紫の上の死は、この物語の大きな転換点。次巻では主人公源氏も亡くなっ…

本日の源氏物語講座は「夕霧」

夕霧 『源氏物語』第39帖。巻名は、夕霧が落葉宮に詠んだ「山里のあはれをそふる夕霧に立ち出でん空もなき心地して」による。 『源氏物語』に登場する架空の人物。夕霧大将とも。源氏の長子。母は葵上。夕霧の名は、彼が中心人物になる巻の名に因んで後世の…

源氏物語の「鈴虫」はマツムシ?

平安朝『源氏物語』に出てくる「松虫⇔鈴虫」反対になってくるのは、 周知の通りで、こと新しいものではない。 「鈴虫は心やすく、いまめいたるこそらうたけれ」(38帖鈴虫) (鈴虫は親しみがあって陽気に鳴くのがかわいらしいものである) 女三宮「おほかたの…

明日の源氏物語は「鈴虫」

『源氏物語』38帖「鈴虫」のあらすじ 光源氏50歳の夏から8月中旬までの話。 その年の夏、蓮の花の盛りに、女三宮の持仏の開眼供養が営まれた。飾りつけもすっかり整った御堂で、源氏は尼姿の女三宮に後に残された悲しみを訴えるが、宮はつれなく言葉を返す…

葵祭のフタバアオイ

フタバアオイ. 学名, Asarum caulescens. 別名, カモアオイ. 双葉葵, 分類, ウマノスズクサ科カンアオイ属 (多年草). 茎の先に葉が2枚つくことから。別名は京都 賀茂神社の葵祭に用いられたことによる。

筍かじる薫

『源氏物語』横笛の巻には、幼児薫(二歳)が筍をかじる様子が生き生きと描写されている。 御歯の生ひ出づるに食ひ当てむとて、筍(たかうな)をつと握り持ちて、雫もよよと食ひ濡らしたまへば、「いとねぢけたる色ごのみかな)」とて、 源氏「うきふしも忘れずな…

野老…万葉集にも源氏物語にも

. 皇祖神(すめろぎ)の神の宮人 野老葛(.ところづら) いや.常しくに 我かへり見む. (『万葉集』巻7.ー1133) 御寺のかたはら近き林に抜き出でたる筍、そのわたりの山に掘れる野老などの、 山里につけてはあはれなれば、たてまつれたまふとて、御文こまやかな…

明日の源氏物語は若菜の巻

「若菜」は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第34帖。本巻は源氏物語中最長の巻であり、現在では通常本文の存在しない「雲隠」を除いて「若菜上」および「若菜下」とし、それぞれ第34帖、第35帖とされていることが多い。源氏の絶頂期であり、同時に衰…

紅梅の艶麗さの奥に

源氏物語 紅梅の巻 第43帖の第2帖。頭中将の子孫とその縁者の後日談を書く。 紅梅大納言とも呼ばれる。頭中将の次男で柏木の同母弟。 紅梅や見ぬ恋作る玉すだれ 松尾芭蕉 元禄二年、桐葉宛書簡の最後に添えられている。王朝的世界を仮想した虚構の一句。紅…

センター試験に「夕霧」の不倫

今年度のセンター試験(国語・古文)に『源氏物語』「夕霧」が出題された。 夕霧の不倫を描いた文章。『徒然草』の儒教道徳を説いた文章内容とは大違い。 男女の三角関係の愛のもつれを主題とする内容の適否を問いたい。 純情な高校生が受験するセンター試験の…