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本日「藤裏葉」読み終わる

源氏物語講読も今年で三年目、一月は本日第33巻「藤裏葉」を読み終えました。 光源氏の絶頂期は、この第三部で終わり、その翳りが射してくる第二部を来月から読み進めることになります。読めば読むほど作者紫式部の筆力の冴えが見えて来て、感心させられま…

源氏物語「藤の裏葉」

今月は源氏物語第33巻「藤の裏葉」 藤の花の宴で内大臣はかねての仲であった娘の雲居の雁と夕霧の結婚を認める。仲睦まじい夫婦の誕生に、源氏は親心に嬉しく夕霧の辛抱強さを褒めてやる。内大臣も結婚させてみると後宮での競争の多い入内より、立派な婿を…

今月の源氏物語講座は「藤裏葉」

〔今年月例『源氏物語』初講座〕 大野原図書館 1月18日(土) 観音寺働く婦人の家 1月28日(火) ~「藤裏葉」の巻~ 「藤裏葉」は『源氏物語』五十四帖の巻名(第33帖) 内大臣が詠んだ「春日さす藤の裏葉のうらとけて君し思はば我も頼まむ」にちなむ。この巻で…

梅ゲ枝

ふるさと豊浜名物「梅ゲ枝」

今月の源氏物語講座は「梅枝」の巻

源氏物語「藤袴」

夕霧の祖母、玉鬘の祖母は同じ大宮である。 喪服は鈍色(にびいろ)。 その服喪中に夕霧は玉鬘に藤袴の一枝を贈る。 玉鬘が薄い鈍色にびいろの喪服を、しっとりと地味に着られて、いつもとは違った色合いのために、容貌がとても華やかに引き立っていらっしゃ…

藤袴

『源氏物語』 30帖「藤袴」 現代語訳 むらさきの〈ふぢばかま〉をば見よと言ふ二人泣きたきここち覚えて 晶子 同じ野の露にやつるる〈藤袴〉あはれはかけよかことばかりも 夕霧 尚侍(ないしのかみ)になって御所へお勤めするようにと、源氏はもとより実父…

十月の大野原源氏物語講座は「藤袴」

「藤袴」(ふじばかま)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。玉鬘十帖の第9帖。巻名は夕霧が詠んだ和歌「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」に因む。 我が苑の藤袴まだ咲き初め講座の頃は盛りにならん

10月の源氏物語講座は「藤袴」の巻

「藤袴」は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第30帖。玉鬘十帖の第九帖。巻名は夕霧が詠んだ「同じ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも」に因む。

明日の大野原『源氏物語』講座は「行幸」

~行幸~ 「行幸」(みゆき)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第29帖。「玉鬘十帖」の第8帖。巻名は玉鬘と光源氏の歌「うちぎらし朝ぐもりせしみゆきにはさやかに空の光やは見し」「あかねさす光は空にくもらぬをなどてみゆきに目をきらしけむ」に…

今月は、源氏物語「野分」を原文で読む

野 分 與謝野晶子訳 源氏物語 野分 けざやかにめでたき人ぞ 在ましたる野 分が 開 くる絵巻のおくに (晶子) 中宮のお 住居の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ 垣が所々に 結われ、朝露夕露の置き渡すこ…

『源氏物語』「野分」の巻

今月の『源氏物語』講座は第28巻「野分」、多方面の文学作品に登場する「野分」効果を考察する予定である。受講生の皆さん、ご期待ください。 8月のある日、激しい野分が都を吹き荒れた。六条院の庭の草花も倒れ、そこへ訪れた夕霧は混乱の中で偶然紫の上の…

『源氏物語』における琴

七月源氏物語講座は「篝火」…琴にこだわってみると 『源氏物語』における和琴の名手は頭の中将、柏木である。その他に紫の上が和琴を演奏する。箏の琴の名手は明石の入道である。彼は醍醐帝から伝授された人に習った。その他に紫の上、光源氏、明石中宮が箏…

『源氏物語』の便器「大壷」

『源氏物語」第26段「常夏」の巻には近江君という風変わりな女性が登場する。 「大御大壷取りにも仕うまつりなむ(宮中のお便器取りにでもお仕えしましょう)」 (常夏)と恥ずかしげなく言うのはユニークな近江君(内大臣頭中将の外腹の娘)である。親兄弟の自慢…

明日の源氏物語講座は「常夏」

源氏物語第26巻「常夏」 「常夏」とは大和撫子(河原撫子)のこと この前の庭には各種類の草花を混ぜて植えるようなことはせずに、美しい色をした 撫子 ばかりを、 唐撫子 、 大和 撫子もことに優秀なのを選んで、低く作った 垣に添えて植えてあるのが 夕映え…

本日の源氏物語講座は「常夏」

「常夏」の一般的用法 1 一年中が夏であること。常に夏のような気候であること。 2 セキチクの変種。多くの品種があり、花は濃紅色のほか、白色や絞りなど。名は、春から秋にかけて咲きつづけることに由来。(季・夏) 3 襲(かさね)の色目の名。 4 《夏か…

今月の源氏物語講座は「常夏」

中西進著『源氏物語と白楽天』岩波書店

「唐土(もろこし)にもかかることの起こりにこそ世も乱れあしかりけれ」と冒頭「桐壷」の巻で楊貴妃を溺愛した玄宗皇帝のこと(「長恨歌」)が書かれている。唐のように戦乱は起こらなかったが、戦乱の「申し子」としての光源氏として読み取る。母桐壷の更衣の…

本日の「みとよ源氏物語講座」は「蛍」の巻

「蛍」の巻 玉鬘は、源氏の親らしからぬ*懸想に苦しみ悩んだ。 五月雨の頃、兵部卿宮から玉鬘に文が届き、源氏はそれに返事を書かせた。喜び勇んで六条院にやってきた兵部卿宮の前で、源氏は几帳の内に「蛍」を放ち、その光で玉鬘の姿を浮かび上がらせて見…

今月の源氏物語講座は「蛍」の巻

源氏物語「蛍」 與謝野晶子訳 源氏の現在の地位はきわめて重いがもう廷臣としての繁忙もここまでは押し寄せて来ず、のどかな余裕のある生活ができるのであったから、源氏を信頼して来た恋人たちにもそれぞれ安定を与えることができた。しかも 対 ( たい )…

芦原すなおの春樹論

県教育委員会の冊子より

明日の源氏物語講座は「胡蝶」

「胡蝶」は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第24帖。玉鬘十帖の第3帖。 巻名は紫の上と秋好中宮が贈答した和歌「花ぞののこてふをさへや下草に秋まつむしはうとく見るらむ」及び「こてふにもさそはれなまし心にありて八重山吹をへだてざれせば」によ…

本日の源氏物語講座は「初音」

原文を写本で読む 新春を迎えた六条院は、この世の極楽浄土の如く麗らかで素晴らしかった。源氏は春の町で紫の上と歌を詠み交わし、新年を寿いだ。紫の上の下で養育されている明石の姫君に生母明石の御方から贈り物と和歌が届き、源氏は娘との対面も叶わぬ…

今月の源氏物語講座は「乙女」の巻

「少女」は『源氏物語』第21帖。巻名は光源氏と夕霧の歌「をとめごも神さびぬらし天つ袖ふるき世の友よはひ経ぬれば」「日かげにもしるかりけめやをとめごがあまの羽袖にかけし心は」による。 光源氏(33歳の夏から35歳冬) 源氏の息子夕霧が、12歳で元服を迎…

「朝顔」の巻

『源氏物語』「朝顔」の巻(概説) 藤壺の死去と同じ頃、桃園式部卿宮が死去したので、その娘、朝顔は賀茂斎院を退いて邸にこもっていた。若い頃から朝顔に執着していた源氏は、朝顔と同居する叔母女五の宮の見舞いにかこつけ頻繁に桃園邸を訪ね、紫の上を不…

今月の古典講座は源氏物語「朝顔」を読む

朝 顔 『源氏物語』五十四帖の巻名。第20帖。巻名は光源氏と朝顔の歌「見しおりのつゆわすられぬ朝顔の花のさかりは過ぎやしぬらん」「秋はてて露のまがきにむすぼほれあるかなきかにうつる朝顔」による。朝顔が「槿(むくげ)」の古称でもあることから「槿(…

源氏物語への憬れ

更級日記 菅原孝標女 東路(あづまぢ)の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひ始めけることにか、世の中に物語といふもののあなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間、宵居(よひゐ)などに…

蛭子(えびす)神社

源氏物語「松風」に出てくる「蛭の子」にちなむ「蛭子(えびす・恵比寿)神社」は観音寺市財田川の河口近くにある。かつての船着き場であり、漁業の神様である。 蛭子町は町名改訂で西本町となるいうが、この歴史のある町名が消えるのはいかがなものか。

朝顔より夕顔

和歌の世界、また文学の世界で「夕顔」を題材にしたものは、 『枕草子』『源氏 物語』以前には取り上げられていない。 『枕草子』には、 「夕顔は、花のかたちも朝顔 に似て、言ひ続けたるにいとをかしかりぬべき花の姿に、実のありさま ..」とある。 『源…

今月の源氏物語講座は「松風」

テキストは青表紙本 東の院が美々しく落成したので、 花散里 ( はなちるさと ) といわれていた夫人を源氏は移らせた。西の対から 渡殿 ( わたどの ) へかけてをその居所に取って、事務の扱い所、 家司 ( けいし ) の詰め所なども備わった、源氏の夫人…