源氏事典

絵巻で楽しむ源氏物語

週刊朝日百科『源氏物語五十四帖』(全60巻) 各巻40頁程度で、簡潔明瞭に ビジュアルで分かり易い源氏物語入門書。

京都御所、三種の神器

天皇寝室の襖絵の虎、陛下の安眠をお守りするという。 和紙の原料「楮」を採集 天皇が 皇位の璽 (しるし) として,代々伝えた三種の宝物 八咫鏡 (やたのかがみ) 草薙剣 (くさなぎのつるぎ) 八坂瓊曲玉 (やさかにのまがたま)

京都御所、只今放送中

至宝の美を結集…京都御所。

剣持源氏物語講座「東屋」「浮舟」

連れ子同士の再婚。中将の君は先夫との子「浮舟」が可愛くて、薫・匂宮に縁づけたい。現夫常陸介の連れ子(娘)が讃岐守(受領)に嫁しても平気。 我が讃岐は『源氏物語』にこんな田舎くさく、わずかに端くれで登場する。

今月の源氏物語講座は「浮舟」

第五十一帖「浮舟」 巻名は、次の歌にちなむ。薫の庇護を受けていた女が匂宮に連れ出されい宇治川対岸の隠れ家へ向かう途中に詠んだ和歌「橘の小島の色はかはらじをこのうき舟ぞゆくへ知られぬ」(橘の茂る小島の色のようにあなたの心は変わらないかも知れ…

京都、訪う女独り。

あなただけ京都郊外歩ませる 雅舟 いにしへの音を聴くなり京の春 雅子

京都、そのゆかしさ。

はんなりとして淑やかささりげなさ 雅

今月『源氏物語』講座は「総角」を読む

あげまき 「総角」 晶子訳『源氏物語』 長い年月 馴( ) れた 河風( ) の音も、今年の秋は耳騒がしく、悲しみを加重するものとばかり宇治の姫君たちは聞きながら、父宮の御一周忌の仏事の用意をしていた。大体の 仕度( ) は源中納言と山の 御寺( ) の…

「剣持万葉講座受講生」への推薦書

①『万葉語誌』 多田一臣編 筑摩選書 「語誌」とは、社会史的、文化史的に記述したもの。一つの語にもその背景がある。 いのち・いも・うつせみ・さやけし・たわやめ・むすぶ・やさし・ゆゆし・わたつみ・をし等 『万葉集』に用いられている重要語、一五〇語…

「剣持源氏物語講座」受講生への推薦書

①『愛する源氏物語』 俵万智著 文春文庫 先刻お馴染の女流歌人万智さんの『源氏物語』紹介文。三年間「文藝春秋」に連載した三十五編をまとめたもの。和歌は心の結晶、光源氏の下心、同時進行恋愛、紫の上の悲しみ、薫のはじまり、夫婦喧嘩も和歌で、匂宮の…

今月の源氏物語講座は「御法(みのり)」の巻

御法」(みのり)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第40帖。巻名は、紫の上が花 散里に詠んだ和歌「絶えぬべき御法ながらぞ頼まるる世々にと結ぶ中の契りを」に因む。 女主人公紫の上の死は、この物語の大きな転換点。次巻では主人公源氏も亡くなっ…

源氏物語の「鈴虫」はマツムシ?

平安朝『源氏物語』に出てくる「松虫⇔鈴虫」反対になってくるのは、 周知の通りで、こと新しいものではない。 「鈴虫は心やすく、いまめいたるこそらうたけれ」(38帖鈴虫) (鈴虫は親しみがあって陽気に鳴くのがかわいらしいものである) 女三宮「おほかたの…

葵祭のフタバアオイ

フタバアオイ. 学名, Asarum caulescens. 別名, カモアオイ. 双葉葵, 分類, ウマノスズクサ科カンアオイ属 (多年草). 茎の先に葉が2枚つくことから。別名は京都 賀茂神社の葵祭に用いられたことによる。

筍かじる薫

『源氏物語』横笛の巻には、幼児薫(二歳)が筍をかじる様子が生き生きと描写されている。 御歯の生ひ出づるに食ひ当てむとて、筍(たかうな)をつと握り持ちて、雫もよよと食ひ濡らしたまへば、「いとねぢけたる色ごのみかな)」とて、 源氏「うきふしも忘れずな…

紅梅の艶麗さの奥に

源氏物語 紅梅の巻 第43帖の第2帖。頭中将の子孫とその縁者の後日談を書く。 紅梅大納言とも呼ばれる。頭中将の次男で柏木の同母弟。 紅梅や見ぬ恋作る玉すだれ 松尾芭蕉 元禄二年、桐葉宛書簡の最後に添えられている。王朝的世界を仮想した虚構の一句。紅…

梅ゲ枝

ふるさと豊浜名物「梅ゲ枝」

源氏物語「藤袴」

夕霧の祖母、玉鬘の祖母は同じ大宮である。 喪服は鈍色(にびいろ)。 その服喪中に夕霧は玉鬘に藤袴の一枝を贈る。 玉鬘が薄い鈍色にびいろの喪服を、しっとりと地味に着られて、いつもとは違った色合いのために、容貌がとても華やかに引き立っていらっしゃ…

『源氏物語』の便器「大壷」

『源氏物語」第26段「常夏」の巻には近江君という風変わりな女性が登場する。 「大御大壷取りにも仕うまつりなむ(宮中のお便器取りにでもお仕えしましょう)」 (常夏)と恥ずかしげなく言うのはユニークな近江君(内大臣頭中将の外腹の娘)である。親兄弟の自慢…

明日の源氏物語講座は「常夏」

源氏物語第26巻「常夏」 「常夏」とは大和撫子(河原撫子)のこと この前の庭には各種類の草花を混ぜて植えるようなことはせずに、美しい色をした 撫子 ばかりを、 唐撫子 、 大和 撫子もことに優秀なのを選んで、低く作った 垣に添えて植えてあるのが 夕映え…

中西進著『源氏物語と白楽天』岩波書店

「唐土(もろこし)にもかかることの起こりにこそ世も乱れあしかりけれ」と冒頭「桐壷」の巻で楊貴妃を溺愛した玄宗皇帝のこと(「長恨歌」)が書かれている。唐のように戦乱は起こらなかったが、戦乱の「申し子」としての光源氏として読み取る。母桐壷の更衣の…

花散里

光源氏の妻の一人。第11巻「花散里」に初登場し、その呼称は巻名の由来ともなった上記の和歌による。源氏の父桐壺帝の麗景殿女御を姉に持ち、源氏とは若い頃から関係があったと見られる。容貌はそれほど美しくはないが姉の女御同様温和な慎ましい性格で出自…

「源氏物語」に登場する夕顔と朝顔

源氏物語の巻名には「夕顔」(巻4)と「朝顔」(巻20)のどちらも出てくる。 夕顔の方が一般にはよく知られ、物の怪に憑りつかれて急死するので有名。 夕顔と源氏の相聞歌 夕顔は『源氏物語』五十四帖の巻の一つ。第4帖。登場する作中人物の女性の通称。「常夏…

源氏が須磨に都落ちしたのは「朧月夜」のせい?

明日の源氏物語(須磨)講座資料Ⅱ 朱雀帝(源氏の異母兄)の最愛の女性で、当時の最高実力者であった右大臣の娘の朧月夜(弘徽殿の妹)との関係が発覚して、源氏は京にいられなくなり、須磨に落ち延びることになる。

萬葉集・源氏物語のヤドリギ

「宿木」(やどりぎ)は、『源氏物語』五十四帖の巻名の一つ。 巻名は、薫と弁の尼が詠み交わした和歌「やどりきと思ひ出でずは 木のもとの旅寝もいかにさびしからまし」「荒れ果つる朽木のもとをやどりきと思ひおきけるほどのかなしさ」に因む。この「やど…