筍かじる薫

 
源氏物語』横笛の巻には、幼児薫(二歳)が筍をかじる様子が生き生きと描写されている。
 
 御歯の生ひ出づるに食ひ当てむとて、筍(たかうな)をつと握り持ちて、雫もよよと食ひ濡らしたまへば、「いとねぢけたる色ごのみかな)」とて、
 源氏「うきふしも忘れずながらくれ竹のこは棄てがたきものにぞありける」
と、ゐて放ちてのたまひかくれど、うち笑ひて、何とも思ひたらずいとそそかしう這ひ下り騒ぎたまふ。
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