藤壺の死去と同じ頃、桃園式部卿宮が死去したので、その娘、
朝顔は
賀茂斎院を退いて邸にこもっていた。若い頃から
朝顔に執着していた源氏は、
朝顔と同居する叔母女五の宮の見舞いにかこつけ頻繁に桃園邸を訪ね、
紫の上を不安にさせる。
朝顔も源氏に好意を抱いていたが、源氏と深い仲になれば、
六条御息所と同じく不幸になろうと恐れて源氏を拒んだ。
朝顔への思いを諦めた源氏は、雪の夜、紫の上をなぐさめつつ、これまでの女性のことを話して過去を振り返る。その夜源氏の夢に
藤壺が現れ、罪が知れて苦しんでいると言い源氏を恨んだ。翌日、源氏は
藤壺のために密かに供養を行い、来世を願った。