明日の源氏物語講座は「常夏」

 
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  源氏物語第26巻「常夏」    「常夏」とは大和撫子(河原撫子)のこと
 
 この前の庭には各種類の草花を混ぜて植えるようなことはせずに、美しい色をした 撫子 ばかりを、 唐撫子 、 大和 撫子もことに優秀なのを選んで、低く作った 垣に添えて植えてあるのが 夕映えに光って見えた。公子たちはその前を歩いて、じっと心が 惹かれるようにたたずんだりもしていた。
   
  なでしこの 常なつかしき色を見ばもとの 垣根を人や尋ねん

 私にはあなたのお母さんのことで、やましい点があって、それでつい報告してあげることが遅れてしまうのですと源氏は言った。玉鬘は泣いて、
 
山がつの 垣ほに 生ひし 撫子のもとの根ざしをたれか尋ねん