#短歌
挽歌10首 雅澄(傘寿) 平成29年9月28日 詠 昭和四十二年九月二十八日母葬れり彼岸花野に 曼殊沙華茂く咲く野道ははそはの母を送りしは半世紀前 半世紀前に母上葬りし彼岸花咲く野辺を送りて その当時土葬が普通棺桶に入れてそのまま埋葬をせし 六十を少し過…
雑詠 十首 夜勤という人の生理に逆らう仕事する人の運命見守るばかり 残念なことではあるが癖と言う一生治らぬ致命傷あり 管理という人倫に悖る仕事して身を退いても逃れられぬ罪 目障りな看板建てる無神経さ焼いてしまいたい思いは消えず また会わねばなら…
万葉秋の七草歌絵
花に虫つくことなどは考えずひたすらな想い潰えたるかな
呟き観念歌10首 清貧に甘んずといふ自虐性時には捨てて今確信す 生き方の肯じられぬ隣人を無視せむとすれどやはり気になる 欲得に生きる現実的な人我には無縁な者とみるなり 自分さへよければといふ亡者居てそれも人間と呼ばねばならぬか DNA遺すのみなる営…
西行の後世に与えた影響はきわめて大きい。後鳥羽院をはじめ、宗祇・芭蕉に至るまでその流れは尽きない。特に室町時代以降、単に歌人としてのみではなく、旅の中にある人間として、あるいは歌と仏道という二つの道を歩んだ人間としての西行が尊崇されていっ…
希望を失わず 素質なき者とは言へど落胆せずほのかな希望深く蔵して 先行きの案じられる者とは言へど突き放すことなくただに信じて 何十年時は経れども成長せぬ者にはあれど祈り捧げて 笑顔以て憂き世に生きむ恵まれぬ定めに涙することありても 若者も希望失…
希望を失わず 素質なき者とは言へど落胆せずほのかな希望深く蔵して 先行きの案じられる者とは言へど突き放すことなくただに信じて 何十年時は経てども成長せぬ者にはあれど祈り捧げて 笑顔以て憂き世に生きむ恵まれぬ定めに涙することあれど
今月の高瀬万葉講座、本日の一部資料
有縁の死者へ挽歌10首 その前夜電話して来し教え子は焼身自殺遂げてしまえり 浪人中交通事故で亡くなりてすでに半世紀茫々として ははそはの母もそのころ亡くなりし病死と思えば諦めつくか ちちのみの父は満洲開拓団戦後引き揚げ途中で逝けり 叔父二人戦没者…
白い花紫草のつつましく 万葉のつらつらつばきつらきせみ 万葉の南蛮煙管思ひ草
旅の思い出歌十首 下駄履で伯耆大山彷徨ひし戦後間もない大学時代 はやまってはいけませんなど大山の宿の女中が火鉢持ち来て 希望というあなたをたずね津軽への旅の先には道拓かれず 大陸に第二の故郷築かんと似非聖業に立ち出でし父 満洲の大地へ父の弔いに…
讃酒歌(実は、嫌酒歌)十首 讃酒歌はあれど嫌酒歌ないと思うここに掲げる嫌酒歌如何 酒飲んで意気投合すとよく聞きし忘れていたる遠き出来事 いい酒を飲んだ思い出さらになし悪口さなくば自慢たらたら 聖職と言われる教師生徒には見せたくない様晒せし臆面…
数十年前宮中歌会入選歌女子高生の作者忘失 ⋯⋯別れ歌・忘れえぬ名歌也 紙切れを窓に挟みて帰りたり「会わずに行くは悲し」と書いて
「万葉集」防人の歌 防人とは朝鮮や中国との国際緊張に備えて、東国から西国に派遣された兵士であった。東国から遥かな任地九州までの旅は容易ではなく、決死の覚悟であり、家族との悲しい別れがあった。行く者、見送る者。任地にいる夫を恋う妻と、故郷に残…
本日ゲーテ誕生日 この文豪は268年前に生まれたり [生]1749.8.28. フランクフルトにて [没]1832.3.22. ワイマールにて ドイツの詩人,小説家,劇作家。富裕な市民の子として生まれ,ライプチヒとシュトラスブルクの大学で法律を学んだが,ヘルダーとの出会い…
忘れえぬ女たちを詠う100首のうち30首 戦死せし教え子もあり島の子の我には妹のごとく思へり 二十四の瞳の権化と思ひしに脆くも崩れしあの日あのこと 島浦のこぼれ美島を教えられし文学少女才弾けたり ほかほかの焼き芋くれしわけでない冬の渚に描きたる日よ…
『万葉集』には、「旅寝」「旅人」などの複合語を含めると、百例を越す用例が見られる。 「羇旅歌」「羇旅作」「羇旅発思」等の題詞や分類標目のもとに、数多くの旅の歌が載せられている。 タビという状況が非日常の不安定な状況であり、歌によって魂の安定…
一年に二回若葉となる力 この古木にも漲りている 雅舟 虫に葉を食われてもなほ忿怒から蘇る力湛える命 雅舟
キササゲ、それは『萬葉集』で「楸」「久木」と詠まれたものかもしれない。 『万葉集』で、ひさぎ(原文は久木。歴木と表記)と詠まれている植物に、アカメガシワを当て る説が通用されている。(他の説は、のうぜんかずら科のキササゲ)。 ●ぬばたまの 夜の…
拓魂不壊を詠う10首 四国霊場77番札所本山寺 侵略とつゆ疑はず大陸に新天地築かむと出で立ちし志士 満洲は国策にして日本の第二の故郷建設の悪夢 満洲を傀儡国家と自覚せず聖業とせし開拓移民 この土地は分村までして移民せし主導者だれと戦後咎めず この人…
本日8月15日終戦の日の歌10首 貧農の故に満洲開拓に引きずり込まれてかの地に逝きたり 搾取せし地主が憎しその血筋戦後も伝え卑しさ消えず 愚かなる人と言ふのは易からんお国のために身を捧げしに 母と子の貧窮の戦後乗り越えて我のみここに生き残りたり 過…
【ソルガム(ソルゴー)】 農業分野では、ソルガムと呼ばれることが多いが、植物学的にはモロコシ。雑穀として販売される時はタカキビ。糖分が多い種類はソルゴーと呼ばれることが多い。学名は Sorghum bicolor。スーダングラス(学名:Sorghum sudanense、…
憂国の志士と言われし父上も満蒙の地に斃れ死にたり 貧農の故に満蒙開拓団入植束の間ソ兵に攻め込まれる
勤め先外人さんの日曜日海辺に遊ぶこの楽しさは
たそがれの野にさまよえば白百合か白鷺なるか遠き日の君
花虫の逸早く季を予感して人よりは賢き物持ち生まる
当たって砕けよ、死ぬことはない。
母と来し海辺の思ひ出 時経てば美しくあれ この絵のごとく 雅舟
瀬戸内の夏のある日の思ひ出に友と来たるを残さんとして 台風の去りたる日曜友と来て波に戯れしこと忘れめや