2017-09-05 挽歌10首 剣持歌集 #短歌 有縁の死者へ挽歌10首 その前夜電話して来し教え子は焼身自殺遂げてしまえり 浪人中交通事故で亡くなりてすでに半世紀茫々として ははそはの母もそのころ亡くなりし病死と思えば諦めつくか ちちのみの父は満洲開拓団戦後引き揚げ途中で逝けり 叔父二人戦没者なり祖母一人取り遺されし廃残の身で 継母来ていじめ受けたることなけれど抗うごとく自死せし少年 病死せし嬰児を抱いていつまでも名を呼びし母も遠い遠い人 三人の親友みんな死にゆけり今更友は要らないと思う 過去人に拘るなかれ残された時いとおしむことを忘れて 命には限界あれど心あること成しおけば永遠に生きらる