万葉集
今月の高瀬万葉講座、本日の一部資料
『万葉集』には、「旅寝」「旅人」などの複合語を含めると、百例を越す用例が見られる。 「羇旅歌」「羇旅作」「羇旅発思」等の題詞や分類標目のもとに、数多くの旅の歌が載せられている。 タビという状況が非日常の不安定な状況であり、歌によって魂の安定…
旧日本道路公団(四国・高松)玄関前に人麻呂万葉歌碑が建てられている。 ◎なかなかしゃれたことをしますね! 玉藻よし 讃岐の国は 国柄か 見れども飽かぬ 神柄か ここだ貴き 天地日月とともに 満(た)りゆかむ 柿本人麻呂 『万葉集』巻2-220 より
『万葉集』巻二 人麻呂「挽歌」に関する私見 〔A群〕 讃岐国 (さぬきのくに ) 狭岑島 (さみねのしま ) にて 石中 (いそへ ) の 死人 (しにひと ) を視て、柿本朝臣人麿がよめる歌一首、また短歌 0220 玉藻よし 讃岐の国は 国柄 (くにから ) か 見れども飽か…
鯛・鵜・鮎 醤酢 (ひしほす ) に 蒜 (ひる ) 搗き 合 (か ) てて{【鯛】願ふ我にな見せそ 水葱 (なぎ ) の 羹 ( 巻16ー 3820) 大伴家持の歌 861 松浦川川の瀬早み紅の裳の裾濡れて鮎か釣るらむ 863 松浦川玉島の浦に若鮎釣る妹らを見らむ人の羨しさ
海の暮らしを感じさせる『万葉集』の歌 0874: 海原の沖行く船を帰れとか領巾振らしけむ松浦佐用姫 0954: 朝は海辺にあさりし夕されば大和へ越ゆる雁し羨し 1145: 妹がため【貝を拾ふ】と茅渟の海に濡れにし袖は干せど乾かず 1157: 時つ風吹かまく知らず吾児…
万葉集に詠まれている 魚扁の動物 ①あゆ 鮎(年魚)あゆ 川の瀬に鮎子さ走り島つ鳥 鵜養 伴な⋯(巻19ー4156) 毎年に鮎し走らば辟田川鵜八つ潜けて川瀬尋ねむ (巻19ー4158) ②いさな 鯨くじら 川行き渡り 鯨魚 取り海道に出でて (巻 13ー 3335) 鯨魚取り…
宮城野萩 ミヤギノハギは宮城県の県花、仙台市郊外の宮城野地区には自生はなく、「宮城野」の名の由来はよくわかっていない。 「萩」は国字で、中国語の「萩」は全く別種。 「秋の七草」は、『万葉集』山上憶良の歌 秋の野に 咲きたる花を 指(おゆび)折り …
万葉集の馬・駒 古来、「馬」は運搬、乗用、軍用、駅馬、狩猟、競馬など多岐にわたって用いられていた。 「駒」は元々「子馬」を意味していたが、転じて馬に対する親愛の情を込めた言葉となり、『万葉集』では馬と併用され88首使用されている。毛色によって…
色紙には人間描くなと陰口を叩く田舎の愚か村人
『万葉集』 白つつじ3首 434: 風早の美穂の浦廻の白つつじ見れども寂しなき人思へば 1694: 栲領巾の鷺坂山の白つつじ我れににほはに妹に示さむ 1905: をみなへし佐紀野に生ふる白つつじ知らぬこともち言はえし我が背 芭蕉の俳句 白つつじ1句 ひとり尼わか家…
ぬばたまの夜渡る月のさやけくは よく見てましを君が光儀(すがた)を
旅人に詠まれた「むろの木」=ネズ=もろだ
香川県三豊市山本町辻 菅生神社境内 万葉歌碑 菅生神社の境内にある一対の万葉歌碑 香川県三豊市山本町辻 『万葉集』の歌一首ずつ刻まれている。 たらちねの母に障らばいたづらに汝も吾も事成すべしや (巻11ー2517 作者未詳) 中臣の太祝詞を言ひ祓へ贖ふ命も…
万葉の歌に絵を添えそのこころ血脈として生きているなり 剣持雅澄
春~花に雨~芭蕉六句
大方の万葉の歌恋の歌 海山詠んでも相聞になる
防人の歌、挽歌
あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり 奈良の都は咲く花が美しく 照り映えるように今が真っ盛りである。 小野老(オユ) 万葉集巻3ー328 青丹とは「岩緑青」 小野老(おののおゆ)の歌
万葉恋歌 巻1・2から5首 勝手に書いてみました。
なんといってもこのような相聞の歌がいいですね。
真間の手児奈 手児奈(てこな)とは、下総国勝鹿(葛飾)の真間(現在の千葉県市川市)に奈良時代以前に住んでいたとされる女性の名前。「手古奈」、「手児名」などとも表記する。 一説によると、手児奈は舒明天皇の時代の国造の娘で、近隣の国へ嫁いだが、…
老・若が(謙虚に)相手の立場になれる? 『万葉集』巻16-3791 緑子の 若子の時には たらちしも懐し 褨(すき)を襁(か)け 平生(ひらふ)の時には 木綿の肩衣ひつらに縫ひ着 頚(うな)つきの 童の時には 結幡(けつはん)の 袖つけ衣 着し我れを 丹よれる 子らが同年…
万葉の歌に詠まれた 「ほよ」とは、寄生木(宿木)である。 あしひきの山の木末(こぬれ)のほよとりてかざしつらくは千年(ちとせ)寿(ほ)ととそ この万葉歌碑は観音寺市茂西町盛福寺裏にある。
万葉集は偉大にして悠久の命・精神遺産である。 剣持雅澄(鹿持雅澄)書