万葉集の「海の暮らし」の歌

      海の暮らしを感じさせる『万葉集』の歌

0874: 海原の沖行く船を帰れとか領巾振らしけむ松浦佐用姫

0954: 朝は海辺にあさりし夕されば大和へ越ゆる雁し羨し

1145: 妹がため【貝を拾ふ】と茅渟の海に濡れにし袖は干せど乾かず

1157: 時つ風吹かまく知らず吾児の海の朝明の潮に【玉藻刈り】てな

1290: 海の底沖つ【玉藻のなのりそ】の花妹と我れとここにしありとなのりその花

1299: あぢ群のとをよる【海に舟浮けて白玉採る】と人に知らゆな

1319: 大海の水底照らし沈く【玉斎ひて採らむ】風な吹きそね

1322: 伊勢の海の海人の島津が【鰒玉採りて】後もか恋の繁けむ

3169: 能登の海に【釣する海人の漁り火】の光りにいませ月待ちがてり

3609: 武庫の海の庭よくあらし【漁りする海人の釣舟】波の上ゆ見ゆ

3648: 海原の【沖辺に灯し漁る火】は明かして灯せ大和島見む

3852: 【鯨魚取り海】や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ

4044: 浜辺より我が打ち行かば海辺より迎へも来ぬか【海人の釣舟】