国語学

風流(ふりゅう)

NHKが先ほど言い間違い、訂正した「風流」の読み「ふりゅう」 「日立風流物」 文化遺産オンライン(文化庁)や茨城県教育委員会のサイトでは読み仮名を「ふりゅうもの」としている。 有職読み「ふりゅう」とは… 能楽芸能で,特殊演式の際に式三番(翁)に加…

雪いろいろ

こな雪(粉雪) さらさらとした粉末状で、乾燥した雪。寒冷な地域に多い。 たま雪(玉雪) 球形をした雪。雪のシーズンの初めや終わりの時期、また雪 雲のでき始めている先端部分などで見られる。 はい雪(灰雪) 空中をすらっと降りてくるのではなく、灰の…

八卦と十二支図面

当たるも八卦 当たらぬも八卦 占いは、当たることもあるし外れることもなるものなのだから、占いの吉凶は気にするなということで、悪い結果が出たときに使われることが多い。 「八卦」とは占いのこと。易で、陰と陽を示す算木の組み合わせで得られる八種の形…

お斎(とき)とは

お斎(おとき)=仏事の後の食(じき) 斎食 (さいじき) ,時食ともいう。「斎」とは,もともと不過中食,すなわち正午以前の正しい時間に食べ過ぎないように食事をとること。以後の時間は非時といって食事をとらないことが戒律で定められている。 斎(とき)と…

日本の近代標準語

江戸語でも方言でもなく、当時の東京語を標準語にするのがいいと悟った。 「おっかさん」ではなく、「おかあさん」(オカ―サン) この長母音が新しい日本語の優しさとなった。言語学者上田万年の小学国語讀本に寄せる思いがこもっていた。 上田万年 明治期に日…

アラビア語であいさつ

日本人の忘れもの③

中西進著『日本人の忘れもの③』 万葉集研究の第一人者で文化勲章受章者の著者が、日本人の置き去りにしてきた大切な「忘れもの」をテーマにして好評を得たエッセイ・シリーズの最終巻。本書では、日本人の心の原点である「なつかしさ」や、小さいものを大切…

日本人の忘れもの①

中西進著『日本人の忘れもの①』 二十一世紀は心の時代 日本人に贈る言葉の花束二十一章 第1章 心 まける おやこ はなやぐ ことば つらなる けはい かみさま 第2章 躰 ごっこ まなぶ きそう よみかき むすび いのち ささげる 第3章 暮らし たべる こよみ …

文書(ブンショ、モンジョどちら?)

一般に【文書】とは 文書(ぶんしょ、もんじょ)は、参照されることを前提として記録される情報である。 一般には漢音でぶんしょという。もんじょ(呉音)と呼ぶ場合、特に古文書学(こもんじょがく)では、差出人が相手方に意思、用件を伝えるために書いた…

縁なき衆生は度し難し。

【縁なき衆生は度し難し】 懸命なる読者諸兄の知らないはずはない諺。すべての生物に慈悲深い仏であっても、仏の教えを聞く機会がない者、信じようとしない者は救うことができない。 どうしようもない人がいる。一般常識のない人である。更には、自分に都合…

夢じゃない

「東京五輪音頭」が何十年ぶりかで流れるようになった。 「~夢じゃない」のフレーズが繰り返される。 言わんとするのは、前向きに「=現実化」できるように訴えている。 …かつて「夢と希望」は安っぽく訴えていた管理職を思い出した。 更に連想すれば、一回…

日本語のために

『Nihongo日本語のために』 池澤夏樹 個人編集 河出書房新社 豊饒なる日本語の多様性を店開きする524ページのアンソロジー雑纂大著。 起こってほしい祈りを言葉にした「祝詞」は穢れを払うことができる。 当然のことながら、日本語と長い付き合いの漢字(漢詩…

しかんした都政

東京都小池知事の都議会の答弁で「しかんした都政の…」とスーパー字幕で出る。 「弛緩(しかん)」=ゆるみ この話ことば表現には難点があるのだろう。これまでほとんど誰も使用しなかった漢語である。「ちかん」と言ってもいいがね語感・語呂はよくない。「心…

「盛り土(もりど)」は業界読み

この間、友人から「盛り土をモリドなどと放送しているから、NHKに抗議しようかと思うのだが、どうだろう」と電話がかかってきた。「それは、業界言葉だから、いいんだよ」と応えておいた。 本日、朝日新聞に以下のような記事が載っていたので、参考まで…

「おそれがあります」

「おそれ」は「恐ろしくない」 今、日本列島を台風情報が飛び交っています。 「四国に上陸するおそれがあります」とも報じられています。 耳で聞いて「恐れ(畏れ)」とはイメージしません。 「可能性」「心配」くらいに受け取っているのではないでしょうか。 …

運転を「見合わせる」とは?

曖昧な「見合わせる」 台風が日本列島をかすめながら太平洋沿岸を東に進んでいます。 交通機関の運転中止が気になるところであります。 「運転を見合わせています」と報道されると、 「再開」がありうることでしょうか? 「中止と言っていなかったでしょう…

年表の活用

観音寺市歴史年表 石井省吾と言われる先生が、観音寺市の歴史年表(明治元年~昭和47年、105年間)を88頁にまとめてくれていた。 国内外の関連記事にも留意しながら、重要事項を簡潔・正確に記載した労作である。世間ではこのようなお堅い書籍を所持し、愛読さ…

最新刊『日本語のために』池澤夏樹編

近日発売 最新刊『日本語のために』 池澤夏樹個人編集 『日本文学全集』最終30巻 河出書房新社 祝詞からアイヌ語、琉歌、日本国憲法など、時代を超えて日本語そのもののサンプルを集めたアンソロジー。高橋源一郎「終戦の詔」及び、岡田利規「ハムレット」の…

名字の継承・維持

石川県 能美市 下開発町 そこに住む人たちの姓氏… 北に住んでいる人は「北さん」 東に住んでいる人は「東さん」 南に住んでいる人は「南さん」 西に住んでいる人は「西さん」 真中に住んでいる人は「仲さん」 地域共同体の伝統保持に感銘を受ける。 伝統無…

あきらめる

諦めるな→明らめよ 諦めるは明らめる 仏教の世界では、いわゆる諦めることを「明らめる」と書く。 あきらめるとは断念するということではなく、「事実を明らかに見る」ということ。 現実を直視し、それを「ありのままに受け入れる」ということである。 ◆ 「…

NHK、言葉をいじるな。

五輪バドミントンで高・松のダブルスで金メダル、世界の頂点に… 優勝インタビューで ①すごいしっかりしてきた→すごくしっかりしてきた ②ここまで来れるとは思わなかった→ここまて来られるとは思わなかった。 ★スーパー文字化において ①すごい→すごく 文法的…

「はがき」の語源・由来

●はがきの【語源】 正式名称「郵便葉書」は明治6年、青江秀の発案と言われている。最初は「ハガキ」とかな書きされていたが、その後「葉書」「端書」の二種類の漢字表記が見られるようになる。 語源的には「端書き」ということで「端書」と書くのがいいのだ…

左右の説明

左右の説明は次のように色々ある。 【左】 心臓のある方 【右】 心臓のない方 南に向かって東の方 南に向かって西の方 時計の文字盤の7~11の方 時計の文字盤の1~5の方 「明」の「日」の方 「明」の「月」の方 巻物で題簽のある方 巻物で軸のある方 お茶碗…

「八雲立つ」の歌表記、『記・紀』の違い

一字一音、万葉仮名に似る。 正史『日本書紀』の用字法が堅い。 』

ヒロシマ慰霊文の主語?

安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから 正式な名称「広島平和都市記念碑」 通称「原爆死没者慰霊碑」の碑文。 慰霊碑は1949年に成立した広島平和記念都市建設法の精神に則り、建立が計画された。 慰霊碑の設計は丹下健三(当時東京大学助教授)が担…

おかしい「熊本県」の発音

熊本県(クマ【モト】ケン) × 熊本県内(クマモトケンナイ) これは納得。 標準アクセントに立てつくことはできないが、(クマ【モト】ケン) と発音されると 頭が痛くなる。なじめない。これは私だけの独断と偏見で、誰も同感してくれまい。

避難と非難の発音を区別して

~標準発音の疑問一つ~ 「ヒナン」のことを聞かない日はない。その「ヒナン」のアクセントがおかしくない? 「避難」している震災地の状況報道の際の発音アクセントについて、モノ申す。 「避難所」「避難地区」と複合名詞は、「ヒ・ナ・ン」と平板型で発音…

出在家

在家(ざいけ)は、仏教において、出家せずに、家庭にあって世俗・在俗の生活を営みながら仏道に帰依する者のこと。出家に対する語で、仏教用語の1つ。 仏教徒のなかで、在家の信者は、男性は優婆塞(うばそく、upāsaka)、女性は優婆夷(うばい、upāsikā)と呼…

好きな言葉「忘れる」

人が生きることにおいて「忘れる」ことほど大切なことはない。 人に与えた「恩」を与えた人が覚えているほど困ったことはない。 こちらは、申し訳ないが「忘れている」のである。 人に施しものをしても、すぐそれを忘れるようにしている。 金は貸さないこと…

准看学生、最後の作文

16名の一年生のうち、よくまとまっていた3名の作文を紹介します。