ヒロシマ慰霊文の主語?

     原爆死没者慰霊碑(2006年4月)
                安らかに眠って下さい
                 過ちは
                 繰返しませぬから

  正式な名称「広島平和都市記念碑」   通称「原爆死没者慰霊碑」の碑文。
  慰霊碑は1949年に成立した広島平和記念都市建設法の精神に則り、建立が計画された。
  慰霊碑の設計は丹下健三(当時東京大学助教授)が担当。平和記念公園の敷地内の、広島平和記念資料館原爆ドームを結ぶ直線上に設置されている。原爆犠牲者の霊を雨露から守りたいという趣旨から、屋根の部分がはにわの家型をしている。中央の石室(石棺)には、国内外を問わず、亡くなった原爆被爆者すべての氏名を記帳した名簿が納められている。
 慰霊碑のデザインは、丹下健三が推薦した前衛彫刻家イサム・ノグチの案に一旦は内定した。ノグチのデザインは、原爆ドームを望む巨大なアーチ型の碑で、地上部分だけでなく大きな地下空間をも擁するものであった。しかし、丹下の恩師でもある岸田日出刀らが、日系アメリカ人というノグチの出自を理由に難色を示す意見を強硬に主張したため、ノグチ案を生かした形で丹下が再デザインすることになった。建設当時の屋根はコンクリート製であったが、老朽化のため1985年に一時撤去ののち現在の御影石製に改築されている。
 当時の広島市長浜井信三は、米国アーリントン公園の無名戦士の墓の慰霊碑に感動し、広島の慰霊碑にもぜひ碑文を刻みたいと思ったが、この碑に盛り込もうとしたのは「誓い」と「祈り」であった。 石碑の碑文は、広島大学教授の雑賀忠義が浜井の依頼を受けて提案、揮毫した。
この碑文の主語は「アメリカ」「日本」と限定せず、「人類」が省略されているとみる。