好きな言葉「忘れる」

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人が生きることにおいて「忘れる」ことほど大切なことはない。
人に与えた「恩」を与えた人が覚えているほど困ったことはない。
こちらは、申し訳ないが「忘れている」のである。
人に施しものをしても、すぐそれを忘れるようにしている。
金は貸さないことにしている。あげるのだ。
返してもらおうとしていると、神経が磨り減る。
「もう決して借りに来ないでね」とは、冷たいことばだけれど。
「健忘症」…すこやかに忘れる症候群…好きな言葉だ。
「痴呆」「呆け」避けて「認知症」…おかしな言葉が出回っている。
この世で最も大切なこと…「忘れる」この一言。
他人から受けた恩まで忘れるのを奨励しているのではない。
願わくは、恩知らずというさもしい心をいつまでも持ってほしくない。
「忘れよ、忘れよ、すべては忘れられる存在が自分」なのだから。
「歴史」は好きでない。過去の歴史に学べというあの人たち…
これからどう生きるか、未来志向にどう関っていたとしても。
「哲学」も「宗教」も第一義とは思われない。
せめて「文学」くらいが、自由に羽ばたける地歩に位置している。
「文・学」という字面はよくないが、何ものにも捉われない
「忘れていたことさえ忘れる」言葉の自由・飛翔ほどすばらしいことはない。
 …そして、はるかな、見知らぬ、あなたが恋しい。