剣持歳時記・春
白木蓮散りて紫木蓮に入れ替わる
咲き初むるそのままで居たい人間も
讃岐路に入りて涅槃の心境へ 同行二人遍路の季節となりました
北国へ帰る日近きユリカモメたち 財田川河口 紛れ来し鷗己の名も知らず
春の季語「花冷え」に関連して 「余寒」「春寒」「花冷え」は春の季語 「余寒」 立春(二月五日頃)を過ぎてもなお残る寒さ 「春寒」 立春以後、春になってからまたぶり返す寒さ。「はるさむ」とも。 ◎「花冷え」 桜の咲くころ、急に寒くなること、その寒さ。 …
ひとときの晴間を逃さず花時を撮るうれしさよ生きてあれば 雅子 山茱萸と白木蓮の競ひ咲く今日のひとひはわたくしのもの 雅人 一人居の窓辺に春の鳥来たる 古義軒
赤い椿白い椿と落ちにけり 河東碧梧桐 碧梧桐初期の代表作。教科書にも出てくる。が、厄介な句だ。碧梧桐の師匠だった正岡子規は、この句の椿を既に根元に落ちている状態だと見た。しかし、そうではなくて、映画のスローモーションのように、二つの椿が落ち…
菜の花や月は東に日は西に 蕪村 安永3 年(1774年)、蕪村が、六甲山地の摩耶山を訪れたときの句。 最近は昔ながらの菜の花畑を見かけにくくなった。それに代わるように野生のカラシナが河原・荒地などに今よく見かけられるようになった。
鞦韆は漕ぐべし 愛は【 】べし 三橋鷹女 ●空所補充の問題 ①許す ②奪う ③焦がす ④ゆれる ◎正解は ②奪う *「惜しみなく愛は奪う」有島武郎 ★別見もありうるが…
春怨・春恨・春愁…春は陽気を誘うようであって、かえってアンニュイに陥る。 秋思が男性の憂えとして、春愁は女性的かもしれない。竹久夢二の女人のように…
彼岸供華廻りて曼陀羅鑑賞す 雅人 人様の供華を廻れば余慶あり 〃
レタス畑ぺんぺん草が縁取って
少年の日は再び返らず菜の花よ 再びは来ぬ少年に菜の花よ
川岸にも浜大根の花曼荼羅 大根が野生化されて浜大根
野の果ての豌豆乳房ふくやかに 雅人
満蒙開拓青少年義勇軍中隊長として渡満、奉天にて客死 (野口勇 享年44歳)
緋寒桜早くも葉桜になってをり 宗像神社にて この丘に出で立つ乙女桃の花 夕べの径にて
目白とは確と分かねど白木蓮 雅人
我が恋花 マーガレット クレマチス また姫小菊
他人の句なれど名句を書くは楽し 自己宣伝の世に抗ひて
いつどこで見ても椿はあなたです ~遍在のあなたに~ いつも黙っていてください ~永遠の椿姫に~
飛行場大池端の春柳 雅人 飛行場滑走路跡春の草 雅人
もらひたるけふのつくしをいかにせむ 雅舟
寺掃除 裏に回れば 蕗の薹 雅人
見知らぬ家人より大きく枝切りミモザもらう 頼んだでもないのにミモザ伐りくれし 雅舟
シネラリア薬で眠るまなうらに 宇咲冬男 才果てし男の睡りサイネリア 宮部鱒太
芭蕉句碑建つ高尾観音堂の境内梅の木に目白寄り来る 鶯に非ず目白が梅に来て芭蕉の句碑を静かに守る