森村誠一著『芭蕉の杖跡』角川マガジンズ

 ゴマンとある「おくのほそ道紀行」 その一つにすぎないが、ミステリー小説の巨匠が「おくのほそ道」の謎に挑む。
  江戸・深川(永遠への憧憬)、白河~日光(人の時間の外にある世界)
  立石寺(気品ある山気)、敦賀~大垣(求道一途・終りなき途上)
 芭蕉の句にちなんで、現代的な自句を添えているの本作品の特徴である。
  月清し遊行のもてる砂の上 芭蕉   月毒や遊行の砂も染まりたる  誠一
 芭蕉が当時持っていなかった文明の二大利器をあえて利用。スピードと通信・記録機器をあえて拒否せず。
 東日本を襲った大震災の被災地に蕉跡を再度追い、完成したのが本書。
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       東北再生のシンボルになった陸前高田「奇跡の一本松」
             風花や命いとしき松一本    森村誠一