持統天皇、土徳の君

  吉野裕子全集7巻「大嘗会・持統天皇」の紹介
 
 天皇即位に密着した日本最大の祭り「大嘗祭」の数々の謎の解明と、自らの皇位継承と政権安定のために呪術の限りを尽くした女帝をめぐる推理したのが本書。
 古代中国において王朝交替の原理とされる「五徳終始説」が白鳳期の皇位継承に導入されていた仮説する。この女帝を「土徳の君」とする視点を基軸にして考究している。宮廷歌人柿本人麻呂の起用も重要な意味をもつ。
 当時、呪術的に華々しく明日香の地を舞台に繰り広げられていた、これらの陰陽五行は、現在はただ占い・迷信として市民権を失っている。
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