万葉の百花18かきつばた


      万葉の百花18「かきつはた」
 カキツバタは湿地に群生し、5月から6月にかけて紫色の花を付ける。
在原業平が詠んだ「から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ」 江戸時代後半にはハナショウブが非常に発展して、カキツバタはあまり注目されなかった。現代では再び品種改良が進められている。漢字表記の一つ「杜若」は、本来はヤブミョウガという別種の漢名(「とじゃく」と読む)であったが、カキツバタと混同されたものである。

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1345: 常ならぬ人国山の秋津野のかきつはたをし夢に見しかも
   1361: 住吉の浅沢小野のかきつはた衣に摺り付け着む日知らずも
             1986: 我れのみやかく恋すらむかきつはた丹つらふ妹はいかにかあるらむ
       2521: かきつはた丹つらふ君をいささめに思ひ出でつつ嘆きつるかも
          2818: かきつはた佐紀沼の菅を笠に縫ひ着む日を待つに年ぞ経にける
            3052: かきつはた左紀沢に生ふる菅の根の絶ゆとや君が見えぬこのころ
   3921: かきつばた衣に摺り付け大夫の着襲ひ猟する月は来にけり