万葉の百花17「紅」


     万葉の百花17「紅」

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紅(くれない)
       キク科ベニバナ属の紅花(ベニバナ)のこと。「紅色」を採る。
紅を詠んだ歌
1044: 紅に深く染みにし心かも奈良の都に年の経ぬべき
 1218: 黒牛の海紅にほふももしきの大宮人しあさりすらしも
    1297: 紅に衣染めまく欲しけども着てにほはばか人の知るべき
  1313: 紅の深染めの衣下に着て上に取り着ば言なさむかも
     1343: 言痛くはかもかもせむを紅の現し心や妹に逢はずあらむ
    1993: 外のみに見つつ恋ひなむ紅の末摘花の色に出でずとも
 2177: 春は萌え夏は緑に紅のまだらに見ゆる秋の山かも
  2550: 立ちて思ひ居てもぞ思ふ紅の赤裳裾引き去にし姿を
     2623: 紅の八しほの衣朝な朝な馴れはすれどもいやめづらしも
   2624: 紅の深染めの衣色深く染みにしかばか忘れかねつる
    2655: 紅の裾引く道を中に置きて我れは通はむ君か来まさむ
 2763: 紅の浅葉の野らに刈る草の束の間も我を忘らすな
     2827: 紅の花にしあらば衣手に染め付け持ちて行くべく思ほゆ