枕草子「言はで思ふぞ」

 
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 心には下行く水のわきかへり 言はで思ふぞ言ふにまされる   読み人知らず
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 清少納言枕草子136段に引用されている ...
 私の心の中には、表面からは見えない地下水が湧き返っているように、口に出さないけれど、あなたのことを思っ ています(その思いは口に出して言うよりずっと優っているのです)
 長徳二年の里下りの時、なかなか再出仕に踏み切れなかった清少納言
その気持ちを動かしたのは、やはり中宮定子でした。ある日、定子から送られてきた手紙を開けてみると、山吹の花が一つ包まれていました。その花びらに一言、
「いはで思ふぞ」と書かれていました。
 それは、歌集『古今和歌六帖』に載っている上掲の歌です。
その意味が分かった清少納言は、定子さまの心の奥深さ、優しさが身に沁みるのでした。
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