2013-06-25 草の花は(枕草子) 古典文学 #その他人文科学 清少納言『枕草子』67段 草の花は、なでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。をみなへし。桔梗。あさがほ。かるかや。菊。壷すみれ。龍膽は、枝ざしなどもむつかしけれど、こと花どものみな霜枯れたるに、いとはなやかなる色あひにてさし出でたる、いとをかし。また、わざととりたてて人めかすべくもあらぬさまなれど、かまつかの花らうたげなり。名もうたてあなる。雁の来る花とぞ文字には書きたる。かにひの花、色は濃からねど、藤の花といとよく似て、春秋と咲くがをかしきなり。