草の花は(枕草子)

   清少納言枕草子』67段
草の花は、なでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。をみなへし。桔梗。あさがほ。かるかや。菊。壷すみれ。龍膽は、枝ざしなどもむつかしけれど、こと花どものみな霜枯れたるに、いとはなやかなる色あひにてさし出でたる、いとをかし。また、わざととりたてて人めかすべくもあらぬさまなれど、かまつかの花らうたげなり。名もうたてあなる。雁の来る花とぞ文字には書きたる。かにひの花、色は濃からねど、藤の花といとよく似て、春秋と咲くがをかしきなり。
 
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