短歌俳句に詠まれた「早苗」

    「早苗」詠んだ古歌

早苗をばかけしわが身よ奥手とも思はば頼みあらましものを(俊成)

おほあらきの浮田の早苗生ひにけりまきのしたくさとりなまがへそ(〃)

早苗とるとはたのおもを見渡せば幾波あらむ田子のを笠よ(〃)

種まきしわさだの早苗うゑてけりいつ秋風の吹かむとすらむ(〃)

五月雨
に小田の早苗やいかならん畔のうきつちあらひこされて(西行

水まさる山田のさなへ雨ふればみどりも深くなりにけるかな(定家)

うゑくらす緑の早苗さとごとに民の草葉のかずも見えけり(〃)

小山田のむろのはやわせとりあへずそよぐ稲葉のころやまつらむ(〃)

   俳句
 季語=早苗 玉苗、早苗束、余り苗、浮苗、早苗籠、苗運び、苗配り、苗打ち、早苗舟 
      早乙女、早苗饗、植田、苗取  
     稲の苗のこと。おもに、田植えのときの苗をいう。 みずみずしさをたたえて玉苗とい う美しい呼び名も ...
 苗代から田へ移し植えるころの稲の苗をいう。手植時代の苗は畦道に早苗篭が置かれ、植え田の面へ投げ入れられた早苗や早苗舟が見受けられた。機械植えとなった現在では、機械用の苗箱を田植機にセットされて植付けられる。
  早苗とる手もとや昔しのぶ摺   芭蕉
  山おろし早苗を撫て行方哉    蕪村
   ◎子規 明治9年の俳句⋯ さすがは写生に徹した句ばかり
  やもめ一人月に裾田の早苗とる  三寸の苗に蛍や籠の中  榎枯れて側に小苗の若葉哉
  水藻多き痩田の早苗あはれ也   大水の引くや早苗に風わたる  夕鷺のぽつちり白し苗の風
 
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