万葉、梅の歌10首
今のごと心を常に思へらばまづ咲く花の地に落ちめやも 1653
酒杯に梅の花浮かべ思ふどち飲みての後は散りぬともよし 1656
梅の花散らすあらしの音のみに聞きし我妹を見らくしよしも 1660
久方の月夜を清み梅の花心開けて我が思へる君 1661
梅の花咲ける岡辺に家居れば乏しくもあらず鴬の声 1820
梅の花降り覆ふ雪を包み持ち君に見せむと取れば消につつ 1833
梅の花咲き散り過ぎぬしかすがに白雪庭に降りしきりつつ 1834
梅が枝に鳴きて移ろふ鴬の羽白妙に沫雪ぞ降る 1840
山高み降り来る雪を梅の花散りかも来ると思ひつるかも 1841
雪をおきて梅をな恋ひそあしひきの山片付きて家居せる君 1842