『万葉秀歌』の中の「月」の歌

       ↓皆さん、今宵の月を外に出てご覧ください。イメージ 1

     斉藤茂吉著『万葉秀歌』に載せられている月の歌

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は榜ぎ出でな (巻1-8)
渡津海の豊旗雲に入日さし今夜の月夜清明けくこそ (巻1・15)
ひむがしの野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ (巻1・48) 
北山につらなる雲の青雲の星離りゆき月も離りて (巻2・61)
あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも(巻2・169)
月読の光に来ませあしひきの山を隔てて遠からなくに (巻4・670)
夕闇は路たづたづし月待ちて行かせ吾背子その間にも見む(巻4・709)
   ♥振仰けて若月見れば一目見し人の眉引おもほゆるかも (巻6・994)
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春日山おして照らせるこの月は妹が庭にも清けかりけり (巻7・1074)
海原の道遠みかも月読の明すくなき夜はふけにつつ(巻7・1075)
家にして吾は恋ひむな印南野の浅茅が上に照りし月夜を(巻7・1179)
夕月夜心も萎に白露の置くこの庭に蟋蟀鳴くも(巻8・1552)
さ夜中と夜は深けぬらし雁が音の聞ゆる空に月渡る見ゆ (巻9・1701)
落ちたぎち流るる水の磐に触り淀める淀に月の影見ゆ (巻9・1714)
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