万葉集の葦
万葉集の「葦」を詠んだ短歌
2134: 葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の吹き来るなへに雁鳴き渡る
2135: おしてる難波堀江の葦辺には雁寝たるかも霜の降らくに
2468: 港葦に交じれる草のしり草の人皆知りぬ我が下思ひは
2565: 花ぐはし葦垣越しにただ一目相見し子ゆゑ千たび嘆きつ
2576: 人間守り葦垣越しに我妹子を相見しからに言ぞさだ多き
2651: 難波人葦火焚く屋の煤してあれどおのが妻こそ常めづらしき
3279: 葦垣の末かき分けて君越ゆと人にな告げそ事はたな知れ
3345: 葦辺行く雁の翼を見るごとに君が帯ばしし投矢し思ほゆ
3445: 港の葦が中なる玉小菅刈り来我が背子床の隔しに
3446: 妹なろが使ふ川津のささら荻葦と人言語りよらしも
3975: 我が背子に恋ひすべながり葦垣の外に嘆かふ我れし悲しも
3977: 葦垣の外にも君が寄り立たし恋ひけれこそば夢に見えけれ
4357: 葦垣の隈処に立ちて我妹子が袖もしほほに泣きしぞ思はゆ
4362: 海原のゆたけき見つつ葦が散る難波に年は経ぬべく思ほゆ
4400: 家思ふと寐を寝ず居れば鶴が鳴く葦辺も見えず春の霞に
4419: 家ろには葦火焚けども住みよけを筑紫に至りて恋しけ思はも
4459: 葦刈りに堀江漕ぐなる楫の音は大宮人の皆聞くまでに