樒(しきみ)の花は万葉の花です。
於久夜麻能 之伎美我波奈能 奈能其等也 之久之久伎美尓 故非和多利奈無
大原真人今城(おおはらのまひといまき)
奥山の 樒が花の 名のごとや しくしく君に 恋ひわたりなむ (巻20ー4476)
リラ(
ライラック)は、こんなにきれいでも、万葉の花でありません。
藤は次の歌を初め、26首載せられています。
藤波の影なす海の底清み沈く石をも玉とぞ我が見る(巻19ー4199)
多胡の浦の底さへにほふ藤波をかざして行かむ見ぬ人のため(巻19ー4200)
藤波を仮廬に作り浦廻する人とは知らに海人とか見らむ(巻19ー4202)