万葉植物「玉箒」

 
  万葉集に出てくる「玉箒」
 

宮中で天皇が農耕を象徴する鋤を、皇后が養蚕を象徴する玉箒を飾って宴が催された。『万葉集』には天平宝字2年正月3日に孝謙女帝が侍従・堅子・王臣らを召して内裏の東屋の垣下で玉箒をさずけて宴を催した時の大伴家持の歌
 
  初春の初子の今日の玉箒手に取るからに揺らく玉の緒 (巻20-4493)
 
 玉箒は本来養蚕の床を掃く道具であるが、ここに詠まれているものは儀式用のものである。玉飾が結ばれた箒は手にとると玉飾がゆれる。玉の緒をゆらすことで、玉の威力を増し、養蚕の滞りないことを願った。タマフリ的意義が込められている。正倉院の宝物には「子日目利箒」があり、「玉箒」のおもかげを現在に伝えている。
 
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   大西節さんが↑↓枝先に小さな玉をたくさんつけてくれていたが、落ちてしまって…

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    ↑受講生が作ってくれた玉箒       ↑小生が作った玉箒
 
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