連歌師宗祇の実像

 
 
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   金子金治郎著『連歌師宗祇の実像』レビュー
 
 その多くは謎とされる宗祇の生涯。現在分かっている資料を駆使して、長年の研究の成果をまとめられたものである。従来の謎とされている問題点に迫り、解き明かそうとされている。
(1)宗祇の父と母と弟について。
(2)連歌師宗祇の登場。青年時代の足跡。
(3)古今伝授前後(関東流浪時代)連歌選集を意識。
(4)中央復帰とその活動。連歌選集実現への基盤を築く。
(5)越後へ七回に及ぶ旅を考える。
(6)西国山口下向と筑紫道記。選集実現へのスポンサーづくりの苦心。発句に抱く文芸としての自信を明らかにする。
(7)宮廷連歌と新撰菟玖波集。後鳥羽天皇の宗祇への信頼。
(8)新撰菟玖波集外伝。地下連歌師としての意識。
(9)都に別れ、終焉の旅立ちになるまでの宗祇の真相を探る。連歌師として生きた、血の通った宗祇の姿を捉えている。
 私は著者金子金治郎先生に昭和30年代ころ広島大学国文科の連歌演習で厳しい教えを受けてきた。以来半世紀が経つ。
 
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