芭蕉の俳句19句に「旅」が使用

   ●芭蕉全発句980句の中で次の19句に「旅」が詠みこまれている。
     上の句に
1 旅がらす古巣はむめに成にけり(鳥之道)
2 たびにあきてけふ幾日やら秋の風(真蹟集覧)
3 旅に病で夢は枯野をかけ廻る(笈日記)
4 たびねして我句をしれや秋の風(野晒紀行絵巻、奥書)
5 旅寐してみしやうき世の煤はらひ(笈の小文
6 たび寐よし宿は師走の夕月夜(熱田三歌仙)
7 旅人と我名よばれん初しぐれ(笈の小文
8 旅人のこころにも似よ椎の花(続猿蓑)

    中の句に
9 うき人の旅にも習へ木曾の蠅(韻塞)
10 しにもせぬ旅寝の果よ秋の暮(甲子吟行
11 住つかぬ旅のこころや置火燵(猿蓑)
12 杜若語るも旅のひとつ哉(笈の小文

    下の句に
13 花の陰謡に似たる旅ねかな(廣野)
14 病鳫の夜さむに落て旅ねかな(猿蓑)
15 夜着ひとつ祈出して旅寝かな(真蹟)  ☆三河で持病
16 よるべをいつ一葉に虫の旅ねして(東日記)
17 名月の見所問ん旅寝せむ(荊口句帳)
18 おもしろやことしのはるも旅の空(去来文)
19 月ぞしるべこなたへ入せ旅の宿(小夜中山集)