2017-08-24 加藤郁乎『日本は俳句の国か』 書評 #読書 、 加藤郁乎が『日本は俳句の国か』(平成8年、角川書店刊)で紹介している俳句(古今混在)から 西行も未だ見ぬ花の郭かな 山東京伝 何の木の花とはしらずにほひかな 松尾芭蕉 散花に南無阿弥陀仏とゆふべ哉 荒木田守武 しらぬまにつもりし雪のふかさかな 久保田万太郎 竹の葉のさしちがひ居る涅槃かな 永田耕衣 むめのはなきそのゆめみしゑひもせず 角川春樹 秋天に表裏山河の文字かなし 加藤楸邨 白扇のゆゑの翳りをひろげたり 上田五千石 いろはにほへの字形なる薄哉 西山宗因 尾を上げて尾のした暗し春雀 永田耕衣 むさし野のさこそあるらめ馬場の月 大田南畝 五月雨やただ名はかりの菖蒲河岸 永井荷風 ◎こんないい句(斬新な句)があったのかと、その眼識力に感心する。