みっともない


 「みっともない」 
〔語源〕 「見とうもない」 不快で見ていたくない意。
〔用法〕 会話や軽い文章で使われる和語。容姿、態度、ふるまいを酷評して用いることが多い。
 無様。見苦しい。 要するに〔見てくれ〕の悪さに使われる。
〔例文1〕  富士の頂角、 広重 ( ひろしげ ) の富士は八十五度、 文晁 ( ぶんてう ... であつた。その有様は、いやになるほど【みつともなかつた】。 「だめだねえ。やつぱり。」私は、がつかりした。      太宰治『富岳百景』
〔例文2〕   「それとも、着物のままはひつて、ずぶ濡れの姿で貴公子と逢つて、ふたりでストオヴでかわかしたのかな? さうすると、かへるときには、どうするだらう。せつかく、かわかした着物を、またずぶ濡れにして、泳がなければいけない。心配だね。貴公子のはうで泳いで来ればいいのに。男なら、猿股一つで泳いでも、そんなに【みつともなくない】からね。貴公子、 鉄鎚 だつたのかな?         太宰治『富岳百景』