本を出すからには

 自費出版で本を出すからには、それが独り歩きして好評・不評に関わらず、自分に返ってくることことを覚悟しなければなるまい。好評ならば問題なかろうが、不評の場合はその灰をかぶらなければならい。人権侵害と言う大問題になるようなことは絶対避けなければならない。自分はそのつもりでなくとも、結果的に人を傷つけることになれば、それは罪になるのかどうか、そのこともここでは棚上げにしておこう。相互の善意ある応対をひたすら祈るばかりである。
 世の中の間違いを指摘するのに、何の遠慮が要るものか。言論出版の自由、思想信仰の自由も憲法で保障されていることであるし、物怖じせず言いたいことを言い、書きたいことを書かせてもらわなければ、民主主義国家ではない。近隣国家でも今なお信じられないような言論統制、封じ込め作戦がまかり通っていると聞く。
 幸いなことにわが国の現在、個人が同人誌に発表している文章作品内容を【検閲】しているとは思えない。していれば憲法違反で、検閲はこれをしてはならないと条文にあるはずである。そんな部分を今さらひもといてみようとは思わない。現代普通の日本人の常識である。
 個人の自由に書く日記にしても、家族の(例えば親が子の、妻が夫の)日記を勝手に読んでいいものではない。条文化されていない守秘義務はどこにでもある。それが良心のゆきわたる範囲において守られていると信じたい。
 一人一冊は一生のうちに出しておきたい。決して売れる本にはならない。自費出版である。ページが多いほど、冊数が多いほど費用がかかる。できればコンパクトにまとめて洗練推敲した文章にしたい。ゆっくりもたもた長文を読んであげられるほど、人はゆとりも暇もないのである。できれば数句の俳句、数首の短歌、一編の詩にまとめてほしい。その人の生き方のエッセンスであるこを期待する。
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