合歓の花歌

  芭蕉よりはるか昔の万葉に合歓(ねむ)は詠まれて時めく心 (花言葉「ときめく」)
 
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            ~合歓木を詠んだ万葉の歌は次の3首だけ~
     万葉名 「合歓木(ねぶ)」
  ネムノキ 山野に自生するマメ科の落葉高木。初夏、淡紅色の房状の花を午後から夕方に開く。夜になると葉を閉じて眠るので、ねむの名がついた。一つの花と見えるのは10-20の小花の集合。

 ●昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花君のみ見めや戯奴(わけ)さへに見よ (紀郎女巻8-1461)
 (昼は花開き、夜は慕い合うように眠るねぶの花を、あなたも一緒にご覧なさいよ。私ばかり見ているのではなく)
    紀郎女が大伴家持に贈った歌
 ●吾妹娘が形見のねぶは花のみに咲きてけだしく実にならじかも  (大伴家持 巻8-1463)(あなたが形見として下さったネムノキは、花が咲くばかりで、実をつけないのではないでしょうか)
 ●吾妹子を聞き都賀野辺のしなひ合歓木吾は隠び得ず間無くし思へば(巻11ー2752)(あの娘のことを聞き継ぐ都賀野辺のしない合歓木。私は偲びかねる、絶え間なく思うので)