万葉の百花3「桜」


        万葉の百花3「桜」
         『万葉集』に「桜」は47首詠まれており、119首の「梅」に及ばないが、
       古来大和の国の「花」と言えば、中国伝来の「ウメ」よりは「サクラ」を
       思い浮かべる。
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1212: 足代過ぎて糸鹿の山の桜花散らずもあらなむ帰り来るまで
1425: あしひきの山桜花日並べてかく咲きたらばいたく恋ひめやも
1430: 去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも
1440: 春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ
1456: この花の一節のうちに百種の言ぞ隠れるおほろかにすな
1457: この花の一節のうちは百種の言持ちかねて折らえけらずや
1458: やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ
1855: 桜花時は過ぎねど見る人の恋ふる盛りと今し散るらむ
1864: あしひきの山の際照らす桜花この春雨に散りゆかむかも
1866: 雉鳴く高円の辺に桜花散りて流らふ見む人もがも
1867: 阿保山の桜の花は今日もかも散り乱ふらむ見る人なしに
1869: 春雨に争ひかねて我が宿の桜の花は咲きそめにけり
1870: 春雨はいたくな降りそ桜花いまだ見なくに散らまく惜しも
1872: 見わたせば春日の野辺に霞立ち咲きにほへるは桜花かも
1887: 春日なる御笠の山に月も出でぬかも佐紀山に咲ける桜の花の見ゆべく
2617: あしひきの山桜戸を開け置きて我が待つ君を誰れか留むる
3129: 桜花咲きかも散ると見るまでに誰れかもここに見えて散り行く
3786: 春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散りにけるかも
3787: 妹が名に懸けたる桜花咲かば常にや恋ひむいや年のはに
3970: あしひきの山桜花一目だに君とし見てば我れ恋ひめやも
4074: 桜花今ぞ盛りと人は言へど我れは寂しも君としあらねば
4077: 我が背子が古き垣内の桜花いまだ含めり一目見に来ね
4151: 今日のためと思ひて標しあしひきの峰の上の桜かく咲きにけり
4361: 桜花今盛りなり難波の海押し照る宮に聞こしめすなへ