中学生の総合学習として「西讃の郷土史」

                  *地域限定…香川県西部三豊平野(観音寺中部中学校区)
   ★郷土史研究テーマ「軍用飛行場建設による強制立退き移転」の事実を知る。
一、取り上げる趣旨
  郷土史の正しい理解は市民の常識である。特に太平洋戦争最中、この地に軍用飛行場が造られ、住民は多くの犠牲を強いられた。この重い事実を無視することなく、正確に知っておかねばならない。
二、飛行場の位置・範囲
 (当時)三豊郡柞田村甲番地(上出・中出・下出)、常磐村出作南、紀伊村木之郷、豊田村母神山等が該当した。柞田川、軍川、加儀田川、母神山にはさまれた地域。
三、立退き移転の苦労
  柞田村一八〇戸、常磐村七〇戸、その他
 立退き移転当事者の苦労が十分に伝え遺されていない。直接経験者の実態を調査し、今のうちに「聞き書き」をして記録として残しておく必要がある。 
四、作業者・動員
 三豊郡を中心とし、中学校・女学校生徒が、学校で授業をせず、飛行場設営に当り、飛行機部品を組み立てる勤労動員がなされた。更に外部からの集団が参加協力した事実などもあった。 
五、兵士・軍属、隊員の訓練
 初めは普通の海軍航空隊員とみなされていた。やがて、事の様子が分かってきて、沖縄等南太平洋に派遣される、十死零生の特攻隊員養成であった。実際は発進直前に終戦となった。
六、遺跡・遺物
 ●飛行場周囲の境界を示す西側に遺る「軍川」
 ●滑走路西端のコンクリート破片による大池堤防
 ●人の避難に利用した母神山周辺に遺る防空壕
 ●観音寺海軍航空隊飛行場に関する記録、記念碑