2014-04-30 森川義信の生家 郷土文化財 #その他文化活動 名詩「勾配」 わずか18行 に青春の懊悩、抗いの心が疼いている。 勾 配 森川義信 非望のきはみ 非望のいのち はげしく一つのものに向かって 誰がこの階段をおりていったのか 時空をこえて屹立する地平をのぞんで そこに立てば かきむしるように悲風はつんざき 季節はすでに終わりであった たかだかと欲望の精神に はたして時は 噴水や花を象眼し 光彩の地平をもちあげたか 清純なものばかりを打ちくだいて なにゆゑにここまで来たのか だがみよ きびしく勾配に根をささへ ふとした流れの凹みから雑草のかげから いくつもの道ははじまってゐるのだ 薄命の詩人森川義信の生家は、昔ながらの農村風景 静寂さの中にある。