「紙碑」のススメ

    
   文芸紙碑とは
 
 碑(いしぶみ)に対して「紙碑」があることは、自明のことではない。一部を除いて、大方の国語辞典に記載されていない。
大辞林 第三版』には「紙碑=世に知られていない物事や,世に埋もれた人の生涯・業績などを書いた文章」とある。
「紙碑」は、堂々と立ちはだかっている表向きの「碑」とは違って、陰に隠れて存在する文章ということになる。文学に限定されるものではない。私においては、文芸にしぼって、「文芸紙碑」と呼ぶことにする。
 今、私の取り組んでいることは「地方に埋もれた文学(文芸)作品」の発見・紹介であり、それをひそかな「紙碑」にまとめることにある。
 なお、「し碑」には次のような漢字を宛て、自分なりに語の定義をしておきたい。
 「し碑」とは、次の表記ができる。一般には「詩碑」のみが通用されている。
   紙碑=石ではなく紙に書かれた文章
   詩碑=韻文(詩・短歌・俳句)の碑(歌碑・句碑を含める)の碑
   詞碑=散文(普通の文章)の碑
   私碑=公碑に対して、個人的な碑