宗鑑を詠んだ蕪村・芭蕉の句

 
 ★宗鑑に葛水給ふ大臣かな   蕪村 『蕪村句集』
        葛水(くずみず)…夏の季語
  葛粉に砂糖を入れて葛湯を作りそれを冷した飲み物。酒毒を消し、胃腸をととのえ、渇き を止め汗の出るのを防ぐ効能がある。
        大臣(おとど)…古語
大殿と書くのが普通。公卿の敬称。蕪村の古典趣味で空想の景物。

 瘧(よう、悪性腫物)を病んだ山崎宗鑑に近衛公が戯れた句
 ★宗鑑が姿を見れば餓鬼つばた
 に宗鑑が「飲まんとすれど夏の沢水」と付けたという。
 芭蕉がここで、宗鑑の名誉回復のために「有り難き姿拝まんかきつばた」と詠む。