『芭蕉と俳諧史の展開』

    堀切実著『芭蕉俳諧史の展開』
 
 本書は、芭蕉俳諧史を作品に即した表現面の研究、俳諧師の基礎的研究を中心として構想されたものである。さまざまな視点からのアプローチが魅力的である。
 金子金治郎氏(小生の卒論指導教官)は、連歌研究者の立場から連歌の本質を「会席の文芸(座の文芸)であること」「独特詩形(百韻形式など)をもつこと」「付合(連続性)と行様(非連続性)を合わせもつこと」これらは連歌俳諧に共通する性格である。
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      第一章 俳諧史の出発 連歌から連句
 
 芭蕉、蕪村、一茶そして蕉風俳諧の表現世界を、文化や思想など、幅広い視野から解明する。また地方雑俳にも注目し、その文芸性を考察。900余点に及ぶ俳論書・式目伝書類を博捜調査して作成した「近世俳論史年表稿」は本書中の最大の眼目である。                    (「B00K」データーベース)
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