『現代俳句パノラマ』百人一句

現代俳句パノラマ 』(立風書房・平成6年刊) 夏石番矢他編集

俳句の時代の俳句ガイド。現代俳句百人一句。既成の俳句概念にとらわれず、大家・気鋭の新人、作家・詩人・歌人たちの作品も視野に百句を厳選、読み巧者によって解読する多彩な俳句の現在。
                             類書 山本健吉『現代俳句』 塚本邦雄『百句燦燦』
 夏石 番矢(なついし ばんや、1955年 7月3日 - )は、兵庫県 相生市生まれの俳人。..
   日向ぼこ呼ばれて去ればそれつきり   中村汀女
   四角な空万葉集にはなき冬空       加藤楸邨
   ごはんつぶよく噛んでゐて桜咲く      桂信子
   夏の山国母いてわれを与太という     金子兜太
   霹靂と墨書して四肢おとろふる       塚本邦雄 
      松島を/逃げる/重たい/鸚鵡かな     高柳重信 
   死装束嫋嫋として山すすき          石牟礼道子
   豊旗雲の上に出てよりすろうりい       阿部完市
   太郎に見えて次郎に見えぬ狐火や     上田五千石
   麦よ死は黄一色と思いこむ         宇多喜代子
   冬髪刈るや庭園論の父いずこ        寺山修司
   瑠璃王の東西南北みずけむり        夏石番矢