堀口大学訳詩集『月下の一群』


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     秋の歌     ポ-ル・ヴェルレエン    堀口大學訳 『月下の一群』
  秋の ヴィオロン
  節ながき啜泣(すすりなき)
  もの憂き哀しみに
  わが魂を 痛ましむ。
 
  ◎  落 葉       ヴェルレーヌ      上田敏訳 『海潮音
         秋の日の
    ヴオロンの
    ためいきの
    身にしみて
    ひたぶるに
    うら悲し。

    鐘のおとに
    胸ふたぎ
    色変へて
    涙ぐむ
    過ぎし日の
    おもひでや。
           
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 ポール・ヴェルレーヌ
 「巷に雨の降るごとく 
  <堀口大學訳>
 巷に雨の降るごとく
 われの心に涙ふる。
 かくも心ににじみ入る
 この悲しみは何やらん?
 
 <金子光晴訳>
  「言葉無き恋歌」
 巷に雨の降るごとく
 わが心にも涙ふる。
 かくも心ににじみ入る
 このかなしみは何やらん?
 
鈴木信太郎 訳>
 「都に雨の降るごとく」
 都に雨の降るごとく
 わが心にも涙ふる。
 心の底ににじみいる
 この佗びしさは何ならむ。

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