中井無長遺墨

    観一資料館に保存されていた無長・中井虎男先生50点の遺墨より10点
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郷土の偉人「道一筋 中井虎男傳」 再版

 旧制三豊中学(現観音寺一高)で数学の教員として30年、その後大野原の村長として10年勤め、大野原名誉町民第1号となり「三豊の聖人」とも慕われた中井虎男氏(1878~1969年、享年92歳)の生涯を記録した「道一筋 中井虎男傳」再販出版と「道一筋 中井虎男傳再販に寄せて」の2冊組で1500冊が出版された。若い人たちをはじめ多くの人たちに読んで欲しいと200冊が観音寺一高へ寄贈された。
 中井虎男氏の孫にあたる大野原町宮ノ下の柘植宗尚氏から観音寺一高生徒会長の秋山雄貴君に200冊を贈呈。秋山君は「銅像はあるがよく知らなかった。この伝記を読んで勉強します」と話していた。学校では生徒たちが将来への道しるべとなることを期待している。
 この伝記は、昭和58年に三豊観音寺教育会から出版。現在地元の図書館に残っているが、若い人の手に入れにくい状況だった。同校卒業生で同市粟井町在住の小山洋一氏(61)が中井虎男氏の「おごりのない生き方」に共鳴、自費で出版した。
   中井虎男氏は、観音寺一高に自らが愛蔵していた書籍200冊と百科辞典1組全26冊を寄贈、「中井文庫」として国宝的数学書ニュートン力学を解説した数学史最高の歴史的名著、ガリレオ全集などを保管して活用されてきた。また大野原中学校へ天体望遠鏡を寄付し「中井文庫」が設けられ、また彗星の発見者 五郷井関の藤川繁久氏(68)を誰よりも激励し推薦した。
昭和8年4月28日、三中図書館前に同窓会によって胸像が、昭和41年には大野原小学校に隣接する大野原八幡神社境内にも胸像が建てられ、平成13年から遺族と関係者が参列し「中井虎男 頌徳祭」を行っている。
 また「非ユークリッド幾何学」の著述や四国八十八番札所「本山寺算額」の発見解明など、第1回香川県教育文化功労者を受賞。雅号「無長」として三豊工業高校の校訓「事上練磨」の扁額とともに現在も生きている。そして中井氏を一言で表したことば「道一筋」が墓碑正面に彫られている。
郷土を支えてきた賢人の歩みにふれ、人間愛、深い人間像を蘇る力になればと教員、学生そして地元の人たちにぜひ読んでほしい。また感想文を送ってもらい文集も作成予定。今後も師の思いを引き継ぐ活動のため賛助金として1000円以上を。連絡先は「道一筋 中井虎男傳再販に寄せて」編集委員会〈0875(54)4760〉。                                          (窪田 利栄)