一行あったら、人の一生を表せる。

  
    人生は一行のボードレールに若かない (その3)

●『悪の華』で退廃美と反逆の情熱をうたい、風俗壊乱で提訴されたボードレール

●たかが十七文字の俳句に命を懸けた俳人。辞世の句を詠みつづけた俳聖芭蕉

万葉集の研究に生涯を懸けた鹿持雅澄。その名をもらっただけの剣持雅澄。

●「ふるさとは遠きにありて思ふもの」この一句だけで犀星はこの世に生き続ける。

●『智恵子抄』で昇華された智恵子は、高村光太郎によって永遠の命を帯びた。

宮沢賢治によってトシ子は永訣の朝「けなげないもうと」として祈りを捧げられる。

●多くの文学作品と多くの子供を産んだ与謝野晶子。薄命の樋口一葉と対照的だ。

●薄命の歌人啄木ほど多くの人々に愛唱される歌を多く作った人は他にあるまい。

●「白鳥は哀しからずや」漂泊の歌人牧水のように旅に憧れる人は今も昔も多い。