我が故里の風景

                             わが故里の風景
 五月晴れだ。まだ、四月半ばなのに、空気は澄み、山は若葉色を見せている。新緑の候と言うにはまだ早い。
 二階の我が書斎から見える海抜四百メートルの台形の七宝連山。空海の産土善通寺五岳が遠く見える。琴弾八幡山。それに何より一夜庵のある興昌寺山。この並びの山が親しく座ってくれている。
 願わくは隣近所の二階建ての家に遮られないことだが、ぜいたくは言えない。その合間から望める風景に感謝せねばなるまい。
 欲を言えばきりがない。高台にあって瀬戸内海燧灘が見渡せる所であればいいのにと、思ったりもする。
 ここは三豊平野の真中で、起伏の全くない農村田園地帯である。
 都会の喧騒地帯ではないことに満足せねばなるまい。東京や京阪神に憧れる若者が多いが、自分は全くそんな気になれなかった。権力・権威主義に挑戦してきた一生が自分の人生だった。
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