沓音天神


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 「沓音天神」の由来
 菅原道真をお祭りする「天神さん」は全国にわたり、12000社余りある。そのほとんどは学問の神様として祀られている。元来、道真にまつわる怨霊封じに始まり、天の神・天神となり、農耕神としての信仰にもなってきた。
 
 我が郷土観音寺の八幡神社神恵院でも天神さんがある。
菅原道真の学友と親交のあった日儀法印との因縁があったもので、単なる天神さんではなく、「宮坂天神」と呼び尊崇されている。これとは別に、【沓音天神】なるものがあって、全国ただ一ヶ所の文学的伝奇をもっている。
 俳祖【山崎宗鑑】に書の手ほどきをしたというのである。八幡さんのある琴弾山に続く興昌寺山の麓に宗鑑の寓居「一夜庵」があって、ある夜童子が現れ、「今晩一晩、汝の手を借りる」と言って、翌日返しに来て、それ以来天神さんのお蔭で書が上手になったという。これは寺伝『弘化録』に筆録されている。