耳にはヨシキリ、頬には光

     詩  富士山 (末尾)    草野心平
 花環が円を描くとそのなかに富士がはひる。
 その度に富士は近づき。とほくに坐る。
  耳には行行子。
  頬にはひかり。
 
  ヨシキリ(行々子)が、キチキチ〃〃と鋭い声で鳴いていて、やがて飛んで行った。
  先ほど大野原を散策していて、半世紀前に習った上掲の詩句が思い浮かんだ。
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