戦後70年「軍人墓地」の行方


      軍 人 墓 地

  (1) 軍人墓地信仰

  一般墓地に対して、軍人墓地を特別視している。戦没者の死は、一般の死と同一扱いしてはならない。国の為に名誉ある死を遂げ「英霊」とされるかどうかは別にして、自然死とは一線を隔さねばならない。一般墓地の片隅にコーナーを設けている例もあるが、町村単位で軍人墓地を確保すべきものであろうが、すべてそのようにはなっていない。慰霊・英霊扱いをしているかどうかが問われる事象かもしれない。そうして、戦後七十年脈々と受け継がれ未来に託されようとしている。各地区の遺族会が細々と関わって慰霊招魂祭を続けている。戦争を知らない世代が多くなるにつれて、信仰心も薄れてきている。したがって、軍人墓地を特別視するのは、時代錯誤であるという意識・風潮が普通であると言わねばなるまい。


 (2) 軍人墓地調査

  まず、立地条件として、軍人墓地にあるか、一般墓地にあるか。町村単位で独立してまとめられているのが理想的であるが、地域・地区ごとにまとめられていても、それは軍人墓地と言わねばなるまい。ただ一般墓地の片隅に付随的にあるのは、軍人墓地コーナーと呼びたいところである。住まう所の近くにあって、供養のしやすいので、その利点はあるが、町村単位で慰霊祭を行うには不都合である。かつて戦時中「村葬」なるものがあって村単位・学校単位で祭礼を営んでいた。墓地が分散していたら臨場感に欠ける。

  碑に刻まれるものには、次の項目がある。

①戒名、②本名、③戦没年月日・享年、④戦没場所、

⑤戦死・戦病死の別、⑥略歴・軍歴など。