母との別れと再会『百萬』(観阿弥の能)

   『観阿弥と正成』梅原猛
 政治、宗教など総合的な視点から見えてきた、芸能の祖の新しい姿を描きだす。これまで公にされなかった「上嶋家文書」に光をあて、中世の能に切り込み、作品に投影された怨霊の想いと本質を語る。            
 観阿弥、観世音菩薩、楠正成・毘沙門。中世の怨霊たちが跋扈する太平の世。みなみな浮かれて、田楽に舞々に猿楽。梅原猛の中世―歴史・文学・宗教から読み解く画期的能芸論。
 第14章「百万」、母との別れと再会  
 「子別れ」を主題にした作品には、観阿弥「百万」の他に古作の「柏崎」、世阿弥の「三井寺」「桜川」及び元雅の「隅田川」等があり、能の重要なテーマとなっている。
  謡本『百萬』の奥書に「天文己亥二月日 宗鑑」とあり、1539年(天文8年)頃は生存していたということになる。吉川氏は宗鑑の死没を天文10年までの7月22日とみなしている。その他諸説あるが、地元観音寺市においては「俳家奇人談」の天文22年10月2日89歳没に従い、400年忌を昭和26年10月2日に行っている。
450年忌は平成16年11月3日行った。11年前である。
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