合歓の花

 
象潟や雨に西施が合歓の花   芭蕉                
 
 
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 この寺の方丈に座して簾を捲ば、風景一眼の中に尽て、南に鳥海天をささえ、その陰うつりて江にあり。
 西は有耶無耶の関、路をかぎり、東に堤を築きて秋田にかよふ道遥に、海北にかまえて浪打ち入るる所を汐越といふ。
 江の縦横一里ばかり、俤松嶋にかよひてまた異なり。
 松嶋は笑ふがごとく、象潟はうらむがごとし。
 寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり。
     象潟や 雨に西施が ねぶの花    芭蕉