郷土文学

    郷土文学
(1)作者がその郷土取材した地方色豊かな文学地方文学
(2)地方住民、あるいは民族の間で生まれた、民謡伝説などの称。
 
 「郷土文学(文芸)」とは
①「郷土」の範囲…狭くは(観音寺)市内・広くは(香川)県内、中間として(西讃)地区
②「文学(文芸)」とは…「文学」と「文芸」との違いは微妙。
[平俗的比較] 文学部(大学で文学作品の研究)、文芸部(高校で文芸作品の創作)
あえて区別すれば、「文学」は言葉の学問、「文芸」は言葉の芸術。
[一般用語]として「文学者」は使われるが、「文芸者」は使われない。
「文学作品」に評論を含める場合もあるが、「文芸作品」には含めないのが普通。
 
 この度開講予定の「郷土文学」は、まだ定義が流動的で、受講生の意向に従って変動し得る。柔軟性があるとも言えるが、方針の揺らぎがある。
 これまでの講座で学んだことを生かして、その上に発展性があれば、それに越したことはない。
 いきなり「小説の作法」ハウツーものではなく、「足元の点検」という視点から、身近な文学(文芸)作品・作者などを見渡してみることによって、書く素材・ヒントが得られるのではないかと考えて、11月からピンチヒッターとしての責めを果したい。
 ジャンルは問わないが、主として散文(小説・随筆等)。俳句・短歌はそのコースに譲る。研究の対象にしても、創作には参入しない。
  フィクション・ノンフィクションは明確にした方がよかろう。作家・エッセイストと一応区別されている。ノンフィクション作家とエッセイストの区分も微妙であろうか。私小説という名称は時代遅れだが、内容的には命脈を保って生き延びている。できるならば、本格小説・客観小説に挑戦したい。ただ、それでなければ文学でないと格式ばることもあるまい。純文学などは死語に近いか。
  題材 例1  名詩「勾配」を残した戦没詩人森川義信の「非望」を解く。
      例2  母の故郷を訪ねてくることが出来なかった芭蕉の四国遍路幻想。
      例3  文学不毛の地、みとよモンロー、保守王国「燧灘」風土を穿つ。 
              例4  風化する戦争体験(足元の点検) 戦後70年の記録・収集(聞書き)。 
                  ①特攻隊員の遺書・遺族(高橋輝美・森 久)
        ②戦争未亡人の歩んだ戦後 (歌人石川ふさ江・脚本家野口信子)
        ③軍人墓地の女性(常磐・仁尾・高瀬)・被弾死した女性(柞田) 
              ④戦後70年記念観音寺市民戦争体験記(三豊市のものを参照)
                  ⑤満蒙開拓団(青少年義勇軍)流亡史・引揚記